アマチュアの河本結(18=松山聖陵高)が、出だし3連続ボギーをはねのけ、パープレーと粘り、首位と4打差10位にとどまった。

 「出だしは緊張もして、風の読みにも迷いました。でも、それ以外はほぼ完璧です」。17番ではグリーン脇からパターで20メートルを放り込むバーディーを奪取するなど、ギャラリーをわかせた。

 ツアー最年少優勝記録を持つ勝みなみ、昨年の日本女子オープンを制した畑岡奈紗と同学年。しかし、すでにプロ転向した畑岡や、今年のプロテスト受験を考える勝と、タイプが違う。「人と同じことはしたくない」と言い、今春には日体大に進学。夏のプロテスト受験は見送り、秋のQTからツアープロ転向を狙う。プロ1本を考える、ほとんどのジュニア仲間と違い、立場は学生のままで“女子大生プロ”を目指す。

 「ゴルフだけが人生じゃない。いろんなジャンルの人と交流がしたい。それに、おばちゃんになってツアーで活躍できなくなったら、後進の指導もしたい。大学を卒業したら、保健体育の教員免許も取れますから」-。2月8~9日には、勝らジュニア仲間と6人で大阪に卒業旅行で出かけた。USJで遊び、吉本興業のNGKで笑った。その合間に、ホテルで仲間に「私、大学に行くの」と打ち明けると「えーっ!」と驚かれたという。

 高校も最初は通信制の日本ウェルネス高に進んだが、1学期で中退。地元である愛媛・松山聖陵高に転入した。ジュニアゴルファーで「全日制」から「通信制」の転校はあっても、その逆はまずいない。「最初は時間を目いっぱい使えると思い、通信制にしたけど、時間があまってどうしようもなくて。『これはまずい。体育祭とか学校行事を体験できる環境に』と思って、転校しました」

 12日の最終日には、日本女子ゴルフで6人目のアマチュア優勝がかかる。「私にはまだ、みなみちゃんや、奈紗ちゃんのような力はないです。だから、今までやってきたことを精いっぱい、出すことだけを心掛けます」。謙虚に、首位との4打差を追いかけていく。