ツアー3勝目を狙う片岡大育(だいすけ、28=Kochi黒潮CC)が悪夢を振り払い、逆転優勝に望みをつないだ。8バーディー、1ボギーの63で回り、通算10アンダーで首位に1打差3位に迫った。昨年大会最終日にダブルボギーをたたきV逸のきっかけになった17番で、7メートルのバーディーパットを沈めて生き返った。武藤俊憲(39)と宮里優作(36)が首位に並んだ。

 何度も映像で見た、あのグリーンだ。昨年の悪夢が片岡の脳裏をかすめる。17番パー3。1年前の最終日、首位で同じ場所に立ちながら痛恨のダブルボギーをたたき、プレーオフの末に金庚泰に優勝を譲った。その場面を繰り返し映像で見ていたから、自然と芝目が分かった。屈辱のグリーンで7メートルのバーディーパットを沈める。続く18番ではバンカーからチップインバーディー。雪辱へ、首位に1打差と猛追した。

 「悔しい思いをしたから、今回こそはやってやろうと。昨年の映像は定期的に見ています。だからラインが分かった。パットもタッチを合わせるだけで良かった」。雷雨のため約2時間の中断があった。再開した16番でこの日唯一のボギー。だが、そのまま崩れないのが精神的に強くなった証しだ。「もう(負けて)泣かない。今度は勝って泣きたい」。屈辱を糧に、昨年10月のトップ杯東海クラシック以来のツアー3勝目をつかみ取る。【益子浩一】