今年2月に米女子プロツアー、ISPSハンダ・オーストラリア女子オープンでベストアマを獲得した吉田優利(18=千葉・麗沢高)が大会初制覇を成し遂げた。

 通算イーブンパーの単独首位から、5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で回り、通算1アンダー287で逃げ切った。

 前半4番、6番とバーディーを奪い、8番でダブルボギーをたたきながらも9番でバーディーを奪い返して首位でハーフターン。「今日は後半から緊張感が増した」と10番、12番でボギーをたたき、同じ最終組で回る「小学校時代から仲良くゴルフをしていた」という上野菜々子(大阪・東海大仰星高)に一時、トップの座を譲った。15番のダブルボギーで後退したライバルを横目に17番で5メートルのバーディーパットを決めて首位に再浮上。「楽な方向に向きそうでしたが、最後まで戦いぬけました」と自らの成長を実感した。

 同じナショナルチームのメンバーに出迎えられ、うれし涙を流した。昨年は海外遠征のメンバーにも入ることができず、日本女子オープンの出場もかなわず「悔しい思いをした」。

 今年から本格的に上田桃子、比嘉真美子らを指導する辻村明志コーチに師事。上田からに積極的にアドバイスを求めた。またナショナルチームでもガース・ジョーンズ・コーチの指導でコースメモのチェック方法と活用、コースマネジメントを改善。「ゴルフ頭脳のレベルは少し上がったと思います」と自信も示した。

 来年にプロテストを受け、日本ツアー参戦でプロゴルファーのキャリアをスタートする予定。「今年、米女子ツアーを経験して、いずれは世界で戦いたいと思っていますが、まずは日本で。自分の意思を強く持つ人、プロとして活躍できる人になりたい。賞金女王になりたい」。吉田は、うれし涙で潤んだ両目を輝かせていた。

 

 ◆吉田優利(よした・ゆうり)2000年(平12)4月17日、千葉県生まれ。10歳の時、父英隆さんの勧めでゴルフをはじめ、12歳の時に関東ジュニア優勝。関東ゴルフ連盟から米IMGアカデミー派遣の1期生に選ばれる。麗沢高1年からナショナルチーム入り。好きな選手テレサ・ルー。得意クラブはドライバーで平均飛距離は240ヤード。両親と弟、妹。157センチ、56キロ。