昨季の国内女子ツアーMVPの古江彩佳(21=富士通)が“らしさ全開”の米ツアー本格デビューを果たした。5バーディー、2ボギーの69で25位。序盤は乱れたショットを修正し「いいスタートが切れた」と、首位リディア・コ(ニュージーランド)と6打差につけた。67で4位の畑岡奈紗、笹生優花の他の日本勢とは2打差。混戦の中で上位進出を目指す。

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米ツアー本格デビューのラウンドで古江が周囲を驚かせた。前半の6番パー3、6番アイアンで放った第1打はピン手前からカップに吸い込まれそうになった。20センチにつけるスーパーショット。“お先”のバーディーで2アンダーとした時点では首位。最終18番をボギーとして順位を落としたが「いいスタートが切れた」と笑顔で話した。

ティーオフの時間が迫る中「直前に替えることはあまりないが、気分で」と白から蛍光イエローのシャツに着替えた。「バタバタしてしまって忙しいまま出ちゃった感じ」と、1番パー5はバンカー、2番パー4はラフとティーショットを左に曲げた。だが、フェアウエーを外したのはその2ホールだけ。正確なショットを存分に見せつけた。

昨夏のエビアン選手権4位などスポット参戦のメジャーで結果を残してきた。今季の出場権を懸けた、昨年12月の最終予選会も8日間上位を守り7位通過。持ち味のブレないショットに磨きをかけた。この日のドライバー平均飛距離241ヤードは出場120人中、下から25番目。同1位の281ヤードのパグダンガナン(フィリピン)を2打上回った。

コーチでもある父芳浩さん(52)が明かしたことがある。「5歳か6歳の時ですかね。練習場で打っていると、隣にいたおじさんから『上手やな。将来は?』と聞かれた彩佳が『タイガー・ウッズに勝つんや!』と言っていました。とんでもないことを言うなと思いました(笑い)」。米国でトップに立ちたい-。ずっと抱き続けていた古江の挑戦が始まった。