金谷拓実(25=Yogibo)が国内メジャー初制覇を飾った。第4ラウンドは中島啓太、宋永漢に並ばれながら粘り強いプレーで2バーディー、2ボギーのイーブンパー、71。通算11アンダー、273で、国内ツアーでは21年4月の東建ホームメイト・カップ以来の勝利となった。アマ時代も含めてツアー通算4勝目。

接戦を制した金谷がうれしそうに笑った。優勝インタビュー。「うれしいです! 中島君はアマ時代から競い合ってきた選手。一緒にプレーできることを楽しみにしていたし、勝てて良かった」とほっとした表情で話した。

17番パー4のスーパーショットで勝利を引き寄せた。ラフからの池越えの第2打をピン30センチにぴたりと寄せた。鮮やかにバーディーを奪い、後続との差を1から2に広げた。最終18番は第1打を左バンカーに入れながらも第2打をピン1メートルに寄せるなど、ピンチで高い技術が光った。

今大会は台風の影響を受けてサスペンデッドが続いた。スケジュール通りにならない状況でも集中力は切らさなかった。金谷は「今日は26ホール、プレーしたのかな。とにかく気持ちだけでした。疲れました(笑い)」と大会を振り返った。

昨季は海外に軸足を置いて腕を磨いてきた。今季も海外に4試合出場し、2月にはアジアツアー初勝利をマーク。成長ポイントは、「ティーショットの精度」と自己分析。「自信を持って振れている。昨年よりはすごくいい状態かな」と手応えを口にする。

約2年ぶりの国内ツアー優勝は、国内メジャー初タイトルとなった。「ツアー1位を決める大きな試合。歴代チャンピオンも素晴らしい選手がたくさん優勝している」と金谷は今大会に高い価値を感じていた。5年シードも手にし、「もっともっと強くなって世界で勝てるよう頑張ります」。そうそうたる顔ぶれの中に、自身の名を連ね、さらに世界を意識した。