03年度生まれ「ダイヤモンド世代」の川崎春花(21=村田製作所)が、自身初の完全優勝で今季3勝目を挙げた。
4バーディー、2ボギーの70と2つ伸ばし、通算13アンダー、203。3日間の大会コース記録に並び、第1ラウンドから先頭を譲らなかった。世代一番乗りで通算5勝目。余韻に浸る間もなくこの日のうちに、日本勢19人目で出場権を手にした、聖地セントアンドルーズ・オールドコースで行われるAIG全英女子オープン(22日開幕)に向けて出発。28年の米ロサンゼルス五輪や将来の米ツアー参戦も夢見ている。
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右手を高く突き上げた。18番パー5。第3打を50センチにピタリとつけてバーディーで締めた。日本人女子選手で今、最も勢いに乗っている川崎が、7月以降の最近5戦で3勝目。最高の形で今季のメジャー最終戦、全英女子オープンに乗り込む。「焦りはあまりなかった。今日はドキドキしなかった。並ばれたとしても、自分は自分のプレーをするだけ。そういう思いがあるからドキドキせず、プレーできるようになった」。優勝会見でも落ち着き払っており、勝つことに慣れてきた。
出だし、中盤、締めと、随所で伸ばした。1番パー5は第2打をピンまで5メートルに運んでバーディー先行。2番をボギーとしたが「ゼロになった(だけ)と切り替えた」と、仕切り直しと思った。9番パー5では、この日「一番よかった」という第3打を1メートルにつけて伸ばした。ほとんどの時間で2位に3打以上の差をつけ、影も踏ませなかった。
普段はプロキャディーと回る川崎が、今大会はハウスキャディーを起用した。7位だった4月のパナソニック・レディース以来、今季2度目。「今週は1人で考えながら、やろうと思って」。自らマネジメントを組み立ててプレー。技術面だけではなく、総合力を高めることが目的だ。ハウスキャディーの大窪ネネさん(26)は「8割は川崎さんが自分で考えていた」と称賛。残る2割はコースに詳しい大窪さんに風の特性などを聞いたが、ハウスキャディーとの初優勝は「自信になった」とうなずいた。
第1日終了後、欠場者が出て全英女子オープン出場が決まり「これからにつながるゴルフをしたい」と、一段と意識を高く持った。強風の今大会も、同じく強風の聖地の予行演習と思えた。世界最高峰の米ツアーは「チャンスがあれば行ってみたい」と力説。銅メダルを獲得した松山英樹や4位の山下美夢有らが出場したパリ五輪男女ゴルフに「かっこいいなと思った」といい、28年ロサンゼルス五輪も「そういうチャンスが来るように一生懸命頑張りたい」と意欲を隠さなかった。原石ぞろいのダイヤモンド世代の旗手は、聖地でも輝きを放つつもりだ。【高田文太】
◆川崎春花(かわさき・はるか)2003年(平15)5月1日生まれ、京都市出身。7歳からゴルフを始め、大阪学院大高では20年の全国高校選手権団体戦、21年の同個人戦と関西ジュニア優勝。21年日本女子オープン11位が、アマチュアでのツアー最高成績。同年11月プロテスト合格。ルーキーの22年は、8月に下部ツアーで1勝し、9月に国内メジャーの日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯で大会史上最年少19歳133日のツアー初優勝。10月のマスターズGCレディースでツアー2勝目、12月にツアー外のJLPGA新人戦加賀電子カップも優勝。今年は7月にミネベアミツミ・レディース北海道新聞カップ、大東建託いい部屋ネット・レディースと2戦連続優勝。憧れは稲見萌寧。158センチ、51キロ。家族は両親と姉。血液型A。スポーツ歴は水泳。趣味は音楽鑑賞。好きな色はピンク。
○…4位から出た通算5勝の渡辺が劇的なイーグル締めで、今季初のトップ10入りとなる2位となった。1イーグル、4バーディー、1ボギーの67で回り、10アンダー。18番パー5で第2打を1・5メートルにつけて2つ伸ばし、9アンダーの3人を一気に抜いた。同じくパー5の1、15番も2オンしたが、ともに3パットでパー。それでも飛距離を生かしてイーグルを狙う姿勢を貫き「優勝には届かなかったけど、自分のプレーにワクワクする気持ちがわいた」と、充実感を口にした。

