国内女子ツアーの開幕戦を制したのは、今年も岩井千怜(22=Honda)だった。2位から出て7バーディー、1ボギーのベストスコア66で回り、通算10アンダー、278。首位から出た菅楓華ら6アンダーの2位3人に、4打差をつける強さを見せつけた。特に最終日の後半、通称「サンデーバックナイン」で、5つも伸ばしての優勝は初体験。中1週で行われる次戦のVポイント×ENEOS(千葉)、今季から主戦場を移した米ツアーへ爆発力という武器を手に入れた。
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事実上の“ウイニングショット”だった。16番パー3。岩井千が放ったティーショットは「何回打ってもできないぐらい。パーフェクト」という弧を描いた。わずかにカップ手前で左に切れ、ホールインワンはならなかった。それでも、この日2番目の難ホールで30センチにつけてバーディー。同組の2位菅がこのホールをボギーとし、4打差に開き「(優勝を)確信した」。18番パー5もバーディー締め。4打差圧勝に、余裕の表情で右手を握り締めた。
「今までの優勝と違う。バックナインまで競っていたので」と、つばぜり合いを制しての優勝は別格だった。12番を終えて菅と7アンダーで並ぶ、マッチレースの展開。そこから引き離した。過去7勝のうち6勝は、首位からの逃げ切り。残る1勝は最終日に4打差を追いつき、プレーオフを制しての逆転だったが、サンデーバックナインに限れば3つ伸ばすのが限界だった。だからこそ「新しい経験。すごく勉強になった」と、新境地に達し喜んだ。
吉兆はあった。2月、タイでの米ツアーの際、家族らでやったポーカーで、父雄士さんが最高の手役「ロイヤルストレートフラッシュ」を完成。同大会で姉明愛は2位となり、キャディーを務めていたマーク・ウォリントン氏は、週明けにタイの釣り大会で優勝。今大会は同氏が、岩井千のバッグを担いでおり、良い流れに導かれていた。今季初優勝も「ここがゴールじゃない。アメリカでも優勝したい」と力説。今季からの主戦場での初優勝へ、新たな武器を手にして自信を深めていた。【高田文太】

