女子ゴルフで米ツアーを主戦場とする渋野日向子(26=サントリー)が、今季2戦目、約7カ月ぶりの国内ツアー出場となる、スタンレー・レディース・ホンダに向けて、第1ラウンド2日前の8日、会場の静岡・東名CCで練習ラウンドを行った。この日はインコースの9ホールを回り、最後は18番パー5。今大会は約2年ぶりの復活優勝を果たした21年大会以来、4年ぶりの出場で「18番は(プレーオフで)最終日に3回ぐらい回ったので特に覚えている。勝った試合は、すごく思い入れがある。目標は…。上位で戦いたい」と、復調のきっかけをつかみたい思いをにじませた。
今季は不振が続き、米ツアーのポイントランキングは104位。80位以内の来季シード、100位以内の同準シードへ、残る米ツアーの出場予定は約1カ月後の1試合で「崖っぷち」と、自らの状況を表現した。ただ「これで人生が終わるわけじゃないと思って前に進んでいます」と、落ち込んでばかりはいられないことは、誰よりも渋野自身が分かっている。
「どうしても向こうでは試合中、笑顔が少なくなってしまう場面が増えてきているのは、自分でも分かっている。でもそれが、日本に帰ってくると戻ってくると思う。練習ラウンドも、すごく笑顔が多い中でできているし、それを試合でも見せられるといいなと思っている。昔の自分を思い出しながら、取り戻していって、できたらいいかな」。
19年に男女を通じて日本人2人目のメジャー制覇となる、AIG全英女子オープンを制し「スマイルシンデレラ」と呼ばれた。天真らんまんな笑顔がトレードマークだったが、22年に米ツアーに主戦場を移してから優勝はなく、年間数試合出場する国内ツアーでも、成績が振るわなかった。そんな中で失われていた笑顔の大切さを思い出したように、この日は仲の良い同い年の木下彩、笑顔がファンから人気の吉田鈴と3人で、終始笑顔を絶やさずに回った。木下とは、富士山のバックにポーズを決めて写真撮影に応じるなど爆笑する場面も。「楽しく回りました。たくさんの先輩、同級生、若手選手が『おかえり』と言ってくれて、ありがたかった」。思い出しながら話している時も笑顔だった。
シードを持たない選手向けに行われる、最終予選会のエントリーも済ませた。ただ、米ツアーの残り1試合に向けては「ありがたいことに来週も(国内ツアーの富士通レディースに)出させてもらえる。試合でしかつかめないものがある。アメリカは、あと1試合で決まってしまうので、そこに向けて、ちょっとでも自信をつけて迎えられたら」と、逆転での準シード、さらにはシード獲得を、あきらめたわけではない。かつて復活優勝した験の良い大会で、今季は試合中に失っていた笑顔も、自信も、取り戻すつもりだ。【高田文太】
渋野の今季の苦闘
◆予選落ち 今季は米ツアー22戦に出場し、予選落ちは過半数の12戦。8月のCPKC女子オープンは、第1ラウンドを70で21位発進も、第2ラウンドで76と崩れ、105位に急降下。この試合から現在まで、今季2度目の4戦連続予選落ちを喫し、シード圏外へ。
◆メジャー 5大会全てに出場し、全米女子オープンは7位。これがメジャー以外の試合も含め、今季唯一のトップ10入り。シェブロン選手権は44位も、残る全米女子プロ選手権、エビアン選手権、自身も歴代女王に名を連ねるAIG全英女子オープンは予選落ち。
◆涙 前週のロッテ選手権は1打及ばず、予選落ちが決まると大粒の涙を流した。来季出場権を確保できるポイントランキング100位以内が苦しくなった。

