坂本花織(17=シスメックス)が力を出し切った。首位で迎えたフリーは重圧のかかる最終滑走。「緊張しっぱなし」でも「できる」と強い気持ちがあった。冒頭の3回転の連続ジャンプを着氷。その後も大きなミスなく、真っ赤な衣装で最後まで生き生きと滑り切り「よくやり切ったと思う」と充実感をにじませた。
武器である高く、跳躍距離が長いジャンプの土台は本能で作り上げた。幼少期の様子を母から「歩かずに、ピョンピョンと跳んでいたんだよ」と聞いたことがある。移動手段はまさかのジャンプ。導入は見送ったものの、今季取り組んだトリプルアクセル(3回転半)は伊藤みどりさんに「あなたなら跳べる」と背中を押されて始めた。「みどりさんのあの高さが欲しい。憧れる」と目を輝かせる。
五輪を目指す有力選手で唯一予選会を免除されず、今季はこれが9試合目。シーズン序盤、テレビに映る“五輪有力候補”の顔には、いつも入っていなかった。「あたしだけ映っていない…」と嘆くこともあった。それでも1戦1戦力をつけ、11月のGPスケートアメリカでは2位と大躍進。五輪をかけたこの大一番にピークを合わせた。「明日、分かります」と静かに代表入りを待つ。【高場泉穂】


