柔道の19年世界選手権東京大会(8月25日開幕、日本武道館)混合団体男子90キロ級代表の村尾三四郎(18=東海大)が18日、横浜市の桐蔭横浜大での強化合宿に参加し、吸収力の高さを伺わせた。

桐蔭横浜大の学生らと打ち込みや乱取りなどを行い、約2時間汗を流した。時折、男子代表の井上康生監督(40)から組み手の指導を受けると、すぐに実行して好感触をつかんでいた。「成長を止めてはいけない」と常々口にする18歳は今春、神奈川・桐蔭学園から20年東京五輪を見据えて柔道の名門の東海大に進学した。「毎日が勉強。高校時代とは違う環境で(東海大の)先輩たちの乱取りを見て、いろいろなことが学べる。多くのことを吸収出来ている」と充実感を漂わせた。

東海大では、卒業後も拠点とする16年リオデジャネイロ五輪男子100キロ級銅メダルの羽賀龍之介(27=旭化成)や、18年世界選手権同金メダルのウルフ・アロン(23=了徳寺学園職)ら実力者たちに頭を下げて、組み手などの指導を受けているという。

今年の世界選手権は個人代表ではなく、団体代表だったが「選ばれたことはラッキー」と前向きに捉え、東京五輪と同じ日本武道館の畳上に立てることで「絶対に良い経験になる。そういう意味でも1試合1試合を大切に、かみしめながら戦いたい」と意気込んだ。

この日の稽古途中には、大学と同じ敷地内にある桐蔭学園柔道部の高松正裕監督が激励に訪れ、村尾はすぐにあいさつへ出向き、アドバイスを求めていた。ある柔道関係者は「これほど賢い柔道家もなかなかいない」と言うほど、日々、自己分析して柔道に取り組んでいるという。東京五輪まで残り1年4カ月。混戦模様の90キロ級において、目の離せない存在になりそうだ。