毎週日曜日は「ラグビー流 Education」。今年のラグビーW杯(ワールドカップ)は、日本中に大きな感動を与えました。選手の迫力あるプレーはもちろん、その言動や人間性に心揺さぶられた方も多いでしょう。ジュニア世代に伝えたい、教育的にも有意義なエピソードもたくさんありました。元日本代表の今泉清氏(52)が振り返ります。

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今泉氏は今大会を通じてジュニア世代に伝えたいことの1つに「規律を守ることの重要性」を挙げる。

今泉 ラグビーでは全員で頑張って時間をかけて相手ゴール前まで攻めても、そこで反則をすると、相手の好キックであっさり自陣深く戻されてしまう。反則はチームにとって大きなマイナス、仲間の努力を無駄にしてしまいます。

一方、日本代表の1次リーグ4連勝の一因は、自陣での反則が少なく、不用意に相手にPGを与えなかったことだ。

今泉 誰でもミスはする。でも、同じミスを繰り返さなければいい。反則も、誰もわざとするわけじゃない。ただ、相手の圧力や自分の集中力の欠如に負けてしまうと、反則が出てしまうことが多い。前に出たくても「ここで自分が出て、反則になったらチームや仲間に迷惑かける」と、グッとこらえる強さを身につけてほしいですね。

ラグビーだけでなく、社会生活全般に通じる。

◆今泉清(いまいずみ・きよし)1967年(昭42)生まれ、大分市出身。6歳でラグビーを始め、大分舞鶴高から早大に進み、主にFBとしてプレースキックなどで大学選手権2回優勝、87年度日本選手権優勝に貢献。ニュージーランド留学後、サントリー入り。95年W杯日本代表、キャップ8。01年に引退した後は早大などの指導、日刊スポーツなどでの評論・解説、講演など幅広く活躍。