初実施の複合女子ノーマルヒルで中村安寿(21=東海大)が日本勢最高の4位に入った。初のビッグゲームを終え「メダルを目標にやってきて、一番悔しい結果」と話した。

前半の飛躍(ヒルサイズ=HS106メートル)ではK点(95メートル)を越える96メートルを飛んで6位発進。得意な後半距離(5キロ)では、トップと50秒差でスタートして順位を上げ、1位と39・9秒差でゴール。3位とは11・1秒差だった。

距離でのレース中は葛藤しながら踏ん張った。視界には3位のノルウェーの選手の姿を捉えていた。だが、なかなかタイム差が縮められない。苦しさで「4位でいいんじゃないかと弱い気持ちになった」。だが、気持ちを奮い立たせた。「せっかくみんながサポートしてくれたのに諦められない」。ギアを上げて追い上げた。だが、メダルには届かなかった。

複合女子は五輪での正式種目採用を目指している。「一番の目標は五輪で金メダルを取る」と掲げる。世界選手権での初実施は中村の夢への第1歩でもある。その舞台を経験し「26年の五輪に向かって、1年1年頑張っていきたい」と士気を高めた。もともと距離の選手だったが、高校1年からジャンプを始めたため、複合選手としての競技歴はまだ6年目の21歳。今後のさらなる成長に期待だ。