女子テニスで、世界2位の大坂なおみ(23=日清食品)が27日、自身のSNSを更新し、30日に開幕する4大大会、全仏オープン(パリ)の期間中、「心のケアを無視しているため、報道に関するいっさいの活動を行わない」と記者会見拒否を宣言した。

テニスのプロツアーは、選手に、プロとして多くの義務を課す。大会期間中に、ファンサービスや報道陣に対する活動も、事細かく決められており、違反すると罰金が科されるシステムだ。それは、プロ選手は、ファン、スポンサー、メディアなどに支えられているという発想から生まれたシステムだ。

例えば、記者会見の罰金だ。グランドスラム・ルールブック(4大大会規則集)には、「選手およびチームは、けがや身体的な理由ではない限り、勝敗に関係なく、可能ならば試合後30分以内に会見を行わなくてはならない。試合後に行う時間は、レフェリーおよび適当な理由がある限り、伸ばすことはできる」とある。

大会前も「シングルスの本戦の選手は、大会開幕の2日前から、要請があれば、会見を開かなくてはならない」と規定されている。そして、これに違反した場合は「最大2万ドル(約220万円)の罰金が科される」とある。

4大大会以外のツアーでは、会見拒否の場合、男女で罰金の額の違いがある。また、世界ランクによっても額は異なる。男子は世界10位以内なら最大2万ドル。11位から25位までは1万ドル(約110万円)だ。女子は世界10位までは最大5000ドル(約55万円)だ。

大坂は、「会見拒否でたくさんの罰金を重ねたら、その合計額がメンタルヘルスの慈善団体に寄付されることを願う」と皮肉った。