15大会連続43回目の出場の新潟工が、2年ぶりの初戦突破を果たした。大津緑洋(山口)に38-7で快勝。フランカー稲村心(しん、1年)が“花園デビュー”戦で2トライを挙げるなど、計6トライ(4ゴール)で圧倒した。2回戦(30日)はシード校の茗渓学園(茨城)と対戦。初戦で手応えを得て、強敵突破に挑む。
◇ ◇
稲村に迷いはなかった。5-0の前半19分だ。「味方がうまく抜けたので、フォローしようと思っていた」。BKがつなぐ流れに乗る準備はできていた。敵陣に入ってパスをもらうと、一気にトップギア。中央付近にトライを決めた。後半3分には、ゴール前5メートルのラックから持ち出して2つ目のトライを奪った。
鮮烈な花園デビューでチームを勢いづけた。県予選ではロックに入っていたが、左ひざの負傷で離脱していたロック山田颯(2年)が復帰したため、公式戦で初めてフランカーに入った。それでも不安はなかった。「先輩たちが『楽にやれ!』と声をかけてくれた」。ボールを持ったら前へ出るプレーに集中した。「普段はおとなしそうだけど、やる時はやる。期待以上です」。樋口猛監督(47)も手放しで褒めた。
1年生が伸び伸びとプレーできる雰囲気が今の新潟工にはある。前半13分に右ラインアウトからモールを作って一気に押し込み、フッカー平原史也(3年)がトライ。強力FWを前面に出した得意の形で先制すると、あとは自分たちのペースだった。体重109キロの山田颯の戦線復帰で、FWの平均体重は94・5キロになった。「ここにきてベストメンバーが組める」(樋口監督)。大津緑洋戦は、その手応えを自信に変える一戦になった。
もちろん、満足だけではない。NO8松田大空主将(3年)は「エリアを取ろうと思っていた。それはできた」と言う一方、「守備が課題。隊形を作るのが遅い」と反省点を挙げた。想定しているのは2回戦で待つBシード、茗渓学園の攻撃。個人技、組織力の高いBK陣に隙は見せられない。「試合が終わった今から、次の準備をする」と松田主将。目標のベスト8進出に向け、すぐに気持ちを切り替えた。稲村は「また先輩たちと花園でプレーできる」。シード校撃破へ、新潟工がチーム一丸になる。【斎藤慎一郎】
◆稲村心(いなむら・しん)2002年(平14)9月26日生まれ、新潟市出身。東新潟中ではサッカー部に所属しながら、新潟ラグビースクールでプレー。新潟工ではロック、NO8で公式戦に出場。185センチ、84キロ。
◆新潟工の戦績 昨年まで42回出場し、通算成績は32勝41敗3分け。過去最高成績は1968年(47回大会)と75年(54回大会)の4強。70年(49回大会)、72年(51回大会)、74年(53回大会)、78年(57回大会)には8強入り。1回戦であたった山口県勢とは新潟県勢としても初対戦だった。



