◇2004年アテネ大会競泳女子800メートル自由形(8月20日・オリンピック水泳センター)

 1位柴田亜衣(日本)8分24秒54、2位マナドゥ(フランス)8分24秒96、3位マンズ (米国)8分26秒61

 柴田は大本命のマナドゥにピタリとつけた。前半はじっと我慢し、残り100メートルで並んだ。ラストの30メートルで抜くと、そのまま頭1つのリードを守りゴール。誰もが予想しなかった逆転優勝に「まさか金メダルなんて」と本人が一番驚いた。

 4月の選考会では山田沙知子が8分23秒68の世界ランク1位記録を出し、日本女子の長距離は注目されていた。山田を追うように柴田も力をつけ、本番ではその立場を逆転。田中孝夫コーチの「あわてず、あせらず、あきらめず」を胸に800メートルを泳ぎ切った。(2014年10月08日東京本社版掲載)