卓球東京オリンピック(五輪)代表の水谷隼(31=木下グループ)がインタビューに応じ、下着をはかずにプレーする理由を明かした。リオ五輪シングルスで銅メダルを獲得した後、競技中はノーパンであることを告白し、話題になった。今も変わらずにプレーする理由は何か? 水谷なりのこだわりを語った。

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水谷は16年リオデジャネイロ五輪で、日本卓球界初の五輪シングルスのメダル(銅)を獲得した。48回のラリーを制すなど熱戦を繰り広げた3位決定戦。サムソノフ(ベラルーシ)を撃破した瞬間、両手を突き上げながら大の字に倒れ込み、喜びを表現した。

16年8月、リオデジャネイロ五輪・卓球男子シングルス3位決定戦で勝利し銅メダルを決めて倒れ込む水谷
16年8月、リオデジャネイロ五輪・卓球男子シングルス3位決定戦で勝利し銅メダルを決めて倒れ込む水谷

その際、話題になったのがユニホームの下に下着をはいてなかったこと。その習慣は今も継続しているのか? 「今も変わりませんよ」とサラリ。理由について「まずはパンツの締め付けがキツイ。あと毎試合汗をかくので洗濯が面倒なんですよ」と語った。

青森山田中の時から習慣で、大人になったからといって簡単には変えられない。「卓球って多くて1日7試合やる時もあった。汗をかいたパンツは次の試合ではいたら気持ちが悪い。でもユニホームの短パンは汗吸わないんで大丈夫なんです」。

今まで「ポロリ」の経験はないのか? リオの銅メダル時も国際映像のスローモーションでは絶妙なアングルでヒヤヒヤした。「意識的に僕が見えないように倒れてるんですよ。そっちもプロっす(笑い)」。

ただ青森山田中高、明大と直系で5年後輩の丹羽孝希に水谷が聞くと「『そんな伝統はない』って言うんですよね」と笑う。五輪代表では丹羽も張本智和も下着ははいているという。「僕が青森山田を卒業するぐらいでちょうど、その伝統が終わっちゃったんですよ」。むしろ水谷より上の世代は「山田以外の選手もノーパンでしたね」と解説した。

欧州のリーグに所属した際はユニホームの内側に通気性の良いインナーパンツが付いていた。水谷には持ってこいの機能だと思うのだが「はいたらもう1枚あるのが気持ちが悪い。だから切って捨てるんですよ」と笑った。

東京五輪でも下着をはかずに出場するのか? 「もちろんそうっすね」とキッパリ。「卓球に限らず東京に出る選手でパンツをはいてない選手はなかなかいないでしょうね」と聞くと「消えていくんでしょうね、ノーパン派の伝統が」と、しみじみと語った。

夕日を背にポーズをとる東京五輪・卓球男子日本代表の水谷(撮影・菅敏)
夕日を背にポーズをとる東京五輪・卓球男子日本代表の水谷(撮影・菅敏)

◆水谷隼(みずたに・じゅん)1989年(平元)6月9日、静岡県磐田市生まれ。5歳から父信雄さんが代表を務める豊田町スポーツ少年団で競技を始め、青森山田中-青森山田高-明大。07年全日本選手権シングルスを17歳7カ月で当時、史上最年少制覇。172センチ。家族は妻、長女。血液型B。

(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「東京五輪がやってくる」)