パリ五輪の新種目カヤッククロスで、すでにパリ五輪代表に内定している男子の田中雄己(駿河台大)と女子の矢沢亜季(昭和飛行機都市開発)はいずれも2位に入った。

男子で1位の三島遊(青梅市協会)と3位の武藤裕亮(ガスパル)、女子で1位の越智ますみ(大分県協会)と3位の長洲百香(佐倉市協会)は、6月にプラハで開催される世界予選で五輪切符獲得を目指す。

本来は4選手が同時にレースを行うが、この日は1人ずつスタートするタイムトライアル形式で実施された。

田中と矢沢は、カヤックシングルで代表権を得たことに伴い、カヤッククロスでのパリ五輪出場権を手にした。ここまでカヤックシングルに注力した練習を重ねてきたという田中は、2位フィニッシュに「ほっとした。五輪に出場するうえで、遅い選手が出るのかと思われると嫌だなと思っていた」と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

矢沢は国内大会でこの種目に出場したのは初めて。「パリ五輪での新種目ということで、注目度も高いと思う。新鮮に感じる。戦える準備をしていきたい」と見据えた。

◆カヤッククロス パリ五輪から採用された新種目で、エクストリームカヤックとも呼ばれる。4艇が同時にスタートし、急流に設置されたポールを上流もしくは下流方向からクリアしていく。また「ロールゾーン」と呼ばれる関門では、バーの下を水中に潜るように身体と艇を1回転させて通過する。