<日本スポーツ振興センター情報・国際部 和久貴洋部長(49)>

 スポーツ界の国際競争力の劇的向上のためには(1)メダル数激減などの危機的状況(2)カリスマ的リーダーの出現(3)五輪の自国開催といわれています。6年後の東京五輪・パラリンピックに向け、今、日本のスポーツ界は大きなチャンスを迎えたといえるでしょう。

 6年後に向けたキーワードは「アスリートのpathway」になります。つまり幼少期からトップアスリートに成長するまでの道筋の確立です。これまで競技団体が、中学、高校部活で活躍した選手をジュニア代表として引き上げてきました。ですが、このルートだけですと、幼少の「金の卵」を取りこぼす可能性があります。

 日本スポーツ振興センター(JSC)では04年からナショナルタレント発掘・育成プロジェクト事業を行っています。能力、素質のある子を発掘し、いかにレベルアップさせていくか。現在は福岡、北海道、東京、京都など12地域。6年後に向けて、もっと全国的に広げていかなければなりません。

 「金の卵」を育てるコーチングも重要です。素質ある選手がいても、良いコーチングを提供できなければ、伸びる選手も伸びません。今まで、育成期に関しては個人、地域任せの面もありましたが、今後は国レベルで指導者を支援し、コーチングのクオリティーを高めていく必要があります。

 来年4月にはスポーツ庁が発足する予定です。スポーツ庁、スポーツ団体は何をやり、何に対して責任を負うのか。その明確化が求められます。東京五輪・パラリンピックがゴールではありません。20年以降のスポーツ環境を整えるためにも、今を大切にしていきたいと考えています。(2014年10月15日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。