<陸上競技女子短距離/ミズノ所属 市川 華菜(24)>

 突然ですが、皆さん「究極の無酸素状態」って、分かりますか? うちの大学(中京大)の近くに200段ぐらいの階段があるんですけど、トレーニングでそこを全力で駆け上がるんです。それを何十本も続けると、最後は口から心臓が飛び出てきそうなほど。下半身はしばらく回復しなくて…。それはそれは、キツい練習なんです !!

 競技を始めたのは、中学から。小学校の時には水泳とかバスケをやっていたんですけど、それなりに駆けっことか速くて。母(葉子さん)の「向いてるんじゃない?」っていう勧めもあって、じゃあ、やってみようかな…って。そこで「走る基本」を徹底的に教えてもらって、一気に変わりましたね。3年の時の東海大会で8位に入りました。でも、決勝で8位って、ビリなんですけどね(笑い)。

 岡崎城西高で、やっと全国区になって、家から近くて行きたかった中京大に入りました。そこで出会ったのが男子100メートル元日本記録保持者の青戸慎司コーチです。質量ともに今まで経験したことのないトレーニングを送る日々です…。意見の食い違いもありますが、結果を出して、いい意味でギャフンと言わせたい存在です(笑い)。

 でも、そのかいあって100メートルでは11秒28(追い風参考)、200メートルでは23秒51まで記録を伸ばすことができました。やっと日の丸を背負えるようになったんですが、悔しかったのは、11年テグ世界陸上でリレーメンバーから外されて補欠になったことかな。おかげで本気で五輪に出たいと思えるようになりました。

 「美女アスリート」って言われるのは…照れくさいけど、うれしいですね。おこがましいんですけど「女優の米倉涼子さんに似ている」って取り上げていただいたことも(笑い)。髪形はショートカットが好きで、ネイルは友達のネイリストにお願いしています。

 2020年東京五輪は、29歳で迎えます。結婚? 出産 ??  今のところ、まったく予定はないですから(笑い)。日本で開催されるオリンピックは特別。その場に立っていたいし、また次世代の子供たちに興味をもってもらえるよう、少しでも役に立てたらいいなと思っています。(2015年11月18日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。