12年のロンドン五輪に出たのは19歳。正直、最初は「五輪っていう雰囲気がないなあ」と思っていました(笑い)。なでしこはベスト4まで進まないと、選手村に入れなくて。選手村生活になって五輪のモニュメントがあったり、食事会場の雰囲気が変わったり、「(男子ブラジル代表の)ネイマールがいた!」とうわさが流れて、ようやく「五輪だ」と実感しました。

(米国に1-2で敗れた)決勝はなぜか、自分のことしか覚えていません。永(里)ちゃんの点も、失点もどんな点だったか記憶にないです。でも、私が残り13分で試合に出て、1つのチャンスを外したのは忘れません。(GKと)1対1で中途半端な高さに打っちゃって、止められた。今も「思い切り振れば良かったな…」と思いますし、決めていたら金メダルを取れていたかもしれない。そう思うと、決勝の舞台は楽しかったけれど、悔しいです。

(16年五輪の)リオは行かなきゃダメな場所だったのに、アジア最終予選で負けてしまいました。その時はバイエルン・ミュンヘンにいたので、リオ五輪はドイツでテレビ越しに「ここにいるはずだったのにな…」と思いながら見ました。ドイツが優勝して、チームメートもいたんですが、感想は「別に」(笑い)。ドイツに優勝されるのはすごく悔しくて、「なんかやだなあ」って思ったり…。バイエルンでやっている(ドイツ代表の)個々を見たら、そんなに差がないので。

2年後の東京五輪は絶対に出たいです。でも、W杯と違って他競技もたくさんある五輪は、結果を出さないと「埋もれてしまって、応援されないんじゃないかな」と思っています。11年(W杯初優勝)の後の盛り上がりを知っちゃっているので、現状は寂しいけれど、それは自分たちが招いた結果。だからこそ、来年のフランスW杯で結果を出すことが、本当に大切です。自分で言うのもなんですが、昔と比べて責任を持ち、大人になっているという自覚はあります。苦しい状況で決める。チームを助けられる選手になって、とにかく結果で貢献したいです。

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