今月20、21日にさいたま市のサイデン化学アリーナで「T.T彩たま」のTリーグ地元初戦を開催します。試合だけではなく、公募した18人のアクトダンサー「TERRA(テラ)」のパフォーマンスや、マスコットの着ぐるみも初披露します。応援で盛り上げて、卓球を「やるスポーツ」から「見るスポーツ」に変えて、より多くの人に興味を持ってもらいたいと思っています。

チームを立ち上げて、埼玉県の“卓球熱”の高さを実感しています。どこも競技人口が増えて、卓球台が不足しています。中学では卓球部に入部する生徒が一番多いそうです。チームのイベントを開催すると、人数制限をしなければならないほど人が集まります。「T.T彩たま」は地元に根ざした愛されるチームを目指しています。スタートしたばかりですが、大きな可能性を感じていますね。

私は地元埼玉で自動車販売関連の会社を経営していますが、熊谷商時代は卓球部で高校総体を3連覇して、明大でも競技を続けました。卒業後は約30年、競技から離れていたのですが、昨年、明大の同級生だったTリーグの松下浩二チェアマンに「埼玉でチームをつくってほしい」と頼まれ、悩みましたが、卓球への恩返しや地域社会への貢献を考えて「やるしかない」と決断しました。

Tリーグが成功すれば、選手は国内を拠点に強化できます。そのためにはリーグのレベルを上げる必要がある。その環境を整えるのが私の役目だと思い、海外のトップ選手と積極的に契約しました。一方で10年後には埼玉から五輪金メダリストを出したいと考えています。そのために幼児期からの育成が不可欠です。先日、将来の世界王者を目指して3歳の少女、平鈴莉空(たいら・りりあ)ちゃんと契約して、元中国代表の女性コーチをウチから派遣しています。今から成長が楽しみです。

20年東京五輪へ向けて、スポーツへの国民の関心、注目度がさらに高まるはずです。卓球は手軽で、安全で、それほどお金もかかりません。子供の健康にもいいし、高齢者でも楽しめます。高齢者の卓球人口が増えれば、きっと健康寿命も伸びます。「T.T彩たま」も卓球教室の実施や指導者を派遣するなど、役割が増えるはずです。「地域社会に必要とされるチーム」。それは私の願いでもあります。

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