印象に残っているのは、84年ロス五輪柔道の山下泰裕さんの金メダル。決勝で相手のエジプトの選手が山下さんの痛めた足を攻めずに戦って、山下さんが優勝。スポーツを見て初めて大泣きしました。

00年シドニー五輪柔道で井上康生選手が優勝して、前年に亡くなったお母さんの遺影を掲げたのも感動しました。本当はいけないんですが、係員があえて気付かないふりをしたんです。

柔道の舞台になる日本武道館は、日テレ時代に全日本プロレスの中継を何度もしました。ジャイアント馬場さんが、お客さんを入れる前にリングに大の字になって、掲げられた日の丸を見ながら「あと何回、見られるんだろうか」って。日本武道館に、柔道を見に行きたいですね。

今月23日からテレビ東京でキャスターを務める「世界卓球2019ハンガリー」が始まります。僕も現地に行って、その興奮を伝えます。日本の卓球は00年頃から始めた小学生プレーヤーからの強化が実って選手層が厚くなっている。世界でメダルを取るより、日本代表になる方が難しい。

期待は女子の伊藤美誠選手(18)。全日本選手権で2年連続の3冠、シングルス、ダブルス、ミックス制覇ですから。男子は張本智和選手(15)が一番、金メダルに近い。日本は女子が伊藤と石川佳純(26)、男子が張本と水谷隼(29)、どちらも2枚看板。来年1月時点のランキングで五輪代表が決まるから、これから日本選手同士の戦いから目が離せません。

来年の五輪は間違いなく盛り上がる。ただ、「外国人て、こういう日本が好きだよね」ってすり寄るのではなく、日本人が昔から持っている伝統、格式を深化させることが僕らの使命。おもてなしは大切だけど、おもねりは必要ない。柔道、卓球以外ではスポーツクライミングとか最先端の競技にも思いをはせています。

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