18年前の夏、アジアAAA選手権で初めて日の丸のユニホームに袖を通しました。メンバー18人中、僕以外の17人はその年の春、夏の甲子園に出場した選手。その夏はベスト8で負けていましたし、まさか僕が…と本当にビックリしたことを覚えています。

心の割合は、うれしさ1割、プレッシャー9割。実績ないから、自信もなかった。合流してからはメンバーのレベルの高さに驚かされた。バッターもよく飛ばすし、ピッチャーもすごい球投げるし、これが甲子園で活躍した人たちなんだと思いました。

予選の韓国戦で好投してから、少し落ち着いた。一員になれたなと。でも、決勝戦の後は負けた悔しさとともに、終わったとホッとしたのが正直なところ。すごくいい経験にはなったし、また代表に選ばれるような選手になりたいなと思いましたが、プロに入ってからはそういうことを考える機会は少なかった。

だから、今回プレミア12で追加招集された時も「マジで自分が?」って思ったのが本音です。もう、自分の中では日本代表の試合はテレビで見る世界でしたから。でも、選ばれたからには「ぶざまなことはできないな」と。マウンドでは今年のシーズン中にやってきたことが生きたなと感じた。開き直るというか、冷静でした。

プレミア12を通して、普段できない経験ができましたし、こういう世界もあるんだなと。大変さも肌で実感しましたし、一生の思い出にもなりました。普段は自宅の部屋には野球のものは見えるところには置かないんですが、金メダルは見えるところに飾って、ユニホームも数日間、ハンガーで飾りました。

オリンピックといえば、高橋尚子さんの金メダルが一番印象に残っています。女子マラソンで史上初の快挙でしたし、シモンとのデッドヒートは僕も熱くなった。あとは柔道の古賀さん。足をケガをしながらの金メダルは感動しました。来年の東京オリンピック(五輪)は、アスリートとして上を目指すのはもちろんですけど、選ばれなくても全力で応援します。(281人目)