日本時間8日に開幕するリオデジャネイロ・パラリンピックの競泳日本代表一ノ瀬メイ(19=近大)はパラリンピックへの理解と認知度向上を使命に初の大舞台に臨む。

 今月2日には株式会社学研プラスから、自身の半生がつづられた児童書「私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ」(文・金治直美)を発売。小学生にも読めるふりがな付きの文章で「短い右腕は個性」という、自らの強い思いを伝えている。

 一ノ瀬は先天性の右前腕欠損症により、生まれつき右肘から先がなかった。それでも水泳に出会い、打ち込むことが周囲のからかいから自分を守ってくれた。13歳の時に史上最年少で出場したアジアパラ競技大会では、50メートル自由形(S9)で銀メダルを獲得。京都・紫野高から競泳の強豪近大に進学し、04年アテネ五輪で2つのメダルを獲得した山本貴司監督(38)の下で成長を遂げてきた。

 パラリンピックでは得意の200メートル個人メドレーなど8種目に出場予定。出発前には「自分が出せる全力を出したい。全種目自己ベストを出したい」と誓っている。「パラを東京で知ってもらっても遅い。リオで知ってもらうのが大事」と覚悟を決め、世界で勝負をかける。