スノーボード・ビッグエア男子予選で日本選手団最年少となる16歳11日の国武大晃(STANCER)は37・25点、2組17位で決勝進出を逃した。直前に予定を変更し、2回とも縦3回転、横3回転の大技フロントサイドのトリプルコーク1440(TC14)に挑んだが、着地に失敗。「実力の差を見せつけられた」とうつむいた。

 クワガタの一種パラワンオオヒラタの飼育サイズの元ギネス記録保持者大毅さん(44)を父に持ち、多くの動物に囲まれて育った。愛知・阿久比町の実家にはモモンガ、ウサギ、猫、ハムスターの他、ハヤブサが2羽いる。国武がネズミの縫いぐるみを投げると「メイ」と「ライ」と名付けられた2羽が捕獲し、戻ってくる。癒やしの時間だ。

 ハヤブサは大毅さんが「飛ぶのがうまい鳥。上手に調教できれば、飛ばせたら、息子も無事にスノーボードをできる」と願って、飼い始めた。父がトップ選手の動画を編集するなど二人三脚で歩んできた。今季のW杯で昨年11月はビッグエア4位、1月はスロープスタイルで2位となり、初の五輪にたどり着いた。

 結果を残せなかったが、22年北京五輪を見据える。「みんな応援してくれているから次は予選落ちしたくない」。夢は「世界チャンピオン」と掲げる16歳。世界を知り、4年後こそ飛躍を遂げる。【上田悠太】