16日に行われたピョンチャン五輪フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で圧巻の演技で首位発進した羽生結弦(23=ANA)に、伝説のスケーターから称賛が送られた。

 「音楽の選択がすばらしい。美しいエッジワークだ」とツイッターでつぶやいたのは、66年前に五輪連覇を達成したディック・バトン氏(88)。10代で五輪金メダルを獲得した共通項、さらに同時にループジャンプの開拓者という点も、同氏以来の連覇を狙う羽生と重なる。

 2本の4回転ジャンプも含めて完璧な出来栄えで111・68点をマークした演技に「音楽がスケートを支え、スケートが音楽を支えている」「美しいプログラム、美しい振付け。テディベアが雨ように降り注いている」とつぶやきを続けた。演技後にリンクに降り注いだのはテディベアはではなくプーさんのぬいぐるみだが、辛口で知られる同氏の絶賛が羽生の演技のすごみを感じさせた。

 バトン氏は48年サンモリッツ五輪でダブルアクセル(2回転半)を、52年オスロ五輪で世界初の3回転ジャンプとなるループに成功した。昨夏には日刊スポーツのインタビューに応じ、「オリンピックをエンジョイするんだ。リラックスして、楽しめ」と羽生にメッセージを送った。