スポーツ仲裁裁判所(CAS)が1日、ドーピング違反で国際オリンピック委員会(IOC)から五輪永久追放とされたロシアの28選手について、証拠不十分として処分を取り消す裁定を下し、日本の関係者には動揺が広がった。

 日本オリンピック委員会(JOC)関係者は平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)開幕直前の混乱に「五輪がめちゃくちゃになってしまう」と気をもんだ。

 処分取り消しの対象となった選手にはノルディックスキー距離の有力選手が複数いる。全日本スキー連盟の蛯沢克仁距離部長は「今後そういう選手が活躍していった時にどう受け止められるか。ドーピングありきの競技というレッテルがつきそうなのが心配」と懸念を示した。

 日本スケート連盟の川上隆史スピード部長は「裁定にはがっかり。誰を信じていいのか分からなくなる。夢や希望を与える五輪に疑惑の目が向けられないようにしてほしい。日本チームは右往左往せずしっかりやるだけだ」と話した。

 28選手の出場の可否は現時点で不透明。JOCは既に選手団が確定した日本の出場権への影響はないとしている。