アイスホッケー女子日本代表が、スウェーデンに1-2で敗れてオリンピック(五輪)初勝利を逃した。世界ランク9位の「スマイルジャパン」は1次リーグB組初戦で同5位の相手と対戦。0-1の第2ピリオド(P)にFW浮田留衣(21)が同点弾。しかし第3P開始直後にDFのパスミスから勝ち越された。98年長野、14年ソチで手にできなかった五輪初勝利は明日12日の同6位スイス戦に持ち越しとなった。
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痛恨のミスだった。1-1で迎えた勝負の第3P。自陣ゴール近くで、DF鈴木の横パスが相手にカットされた。ゴール裏からの素早い折り返しを、攻め上がった選手に決められて、勝ち越しゴールを奪われた。鈴木は「逆サイドに振って展開しようと思ったが、相手のスティックに当たってしまって。もっと簡単にプレーすべきだった」。五輪初勝利はスルリと逃げた。
格上相手に互角の展開だった。試合開始直後の第1P2分21秒で先制点を奪われた。主将のFW大沢は「最初の5分にフォーカスしたい」と言ったプランが崩れたが、スマイルジャパンは崩れない。メンバー平均の身長で5センチ、体重で9キロ上回る相手に、豊富な運動量で対抗。第2P16分52秒には、FW浮田が混戦から同点ゴール。シュート力が持ち味の21歳は「ソチの雪辱で臨んでいる」。スタミナを生かした終盤勝負にはうってつけの状況だっただけに無念の敗戦となった。
14年ソチ五輪は5戦全敗。多くの選手がアルバイトで生計を立てながら、たどり着いた舞台は甘くなかった。ただ五輪出場で取りまく環境は変わった。大沢は「ほとんどホッケーしかしていない選手も多い」と口にする。だからこそ次代のために「メダルをとって、さらに環境を変えたい」という強い気持ちがある。
山中監督は「つなぎのパスが良くなかった。でも今日勝っても負けても大切なのは切り替え。次に集中すること」と言った。大沢も「まだ決勝トーナメントにいけないと決まったわけじゃない」ときっぱり。明日12日スイス戦での五輪初勝利で、決勝トーナメントへの道を切り開く。