平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)のスピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒選手(31=相沢病院)が一夜明けた19日、記者会見し、「500メートルの世界記録を塗り替えたいという思いがある」と昨年12月に1000メートルで出した世界新に続く目標を掲げた。3度目の五輪で大輪の花を咲かせた小平選手は「もう少し滑りたい」と現役続行も明言した。

 日本選手団主将の小平選手は、金メダルの授与式が20日に行われるため、14日の1000メートルで獲得した銀メダルを首にかけて会見に臨んだ。本命種目で日本のスピードスケート女子選手初の栄冠に輝き「夢に描いていたものを成し遂げることができた」とすがすがしい表情で話した。

 目指してきた36秒台で滑ったことには「自分の中に残る新しい景色や感覚という、言葉で表現できない楽しさを感じられた」と爽快感に浸った。ただ「それがゴールだと思うと楽しさがなくなる。また新しい景色を見に行きたい」と意欲は衰え知らず。3月に記録の出やすい高地のカルガリーでの大会で、世界記録に挑む意向を表明した。

 1月に亡くなった信州大時代の同級生で2014年ソチ五輪にともに出場した住吉都さんについて問われると「常に頭に浮かんできたが、主将としてはレースに集中して臨まないといけないと感じていた。本人の目の前で、金メダルを取ったと報告したかった」と涙で言葉を詰まらせた。

 会見に先立って安倍晋三首相から電話で祝福を受けた。