女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒の練習パートナーを務める山中大地(27=電算)が、34秒78で日本勢最高の5位入賞を果たした。表彰台に0秒13届かなかったが、14年ソチオリンピック(五輪)の1000メートル36位から大きな成長を示した。同種目ではバンクーバー五輪銀の長島圭一郎、銅の加藤条治を最後に2大会連続のメダルなしに終わった。

 山中があと1歩で表彰台を逃した。最初の100メートルを全体3位の9秒55と好タイムで入ったが、終盤の伸びを欠き、同門の先輩に続くメダルはならなかった。ゴール直後には唇をかみしめ、「入りは良かったが、最後の200メートルで遅れてしまった。良い結果で奈緒さんにも恩返しをしたかった」と肩を落とした。

 長野高専に進学後、結城コーチの下で小平らとともに技術を磨いてきた。かつては中長距離を得意としていたが、1500メートルのスピードを磨こうと取り組んだ500メートルで才能が開花した。日本を出る際には、妻麻衣さん(27)から手紙を受け取り、「27年かけて準備してきたから大丈夫。何があっても緊張を受け止めて」と背中を押された。世界の強豪と互角に渡り合った27歳は「今持てる力は全て出せた。やってきたことが間違いではないと分かった」と最後は充実感をにじませた。