体操男子団体金メダルの白井健三(日体大)が、20歳の誓いを立てた。リオデジャネイロ五輪の日本代表選手団は24日、都内で帰国会見に臨み、遠征中の金藤理絵ら3選手をのぞくメダリスト総勢55選手が出席。24日に成人となった白井は「若さと勢いある演技でチームニッポンを元気づけられたら」と、20年東京五輪・パラリンピックへの第1歩を印象づけた。

 10代にして金メダルを獲得しても、白井に満足感はなかった。記者から「得したことは?」と問われると、“ひねり”がきいた言い回しで反省点を挙げた。

 「何もないです、何もないです。まだまだ募集しています。団体でしか金は取れなかったので、東京に喜びはお預けです」

 さらに質問で20歳の誕生日を問われると、会場から温かい拍手が送られた。気を取り直したように白井は「リオデジャネイロ五輪は、いい結果といい演技ができたことはすごく満足している。30歳の誕生日の時に『20代は後悔がなかった』と言えるような10年間にしたい」と冗舌だった。

 団体総合では、最終種目だった得意の床運動で16・133という驚異的な点数をマークして、金メダル獲得に貢献した。種目別跳馬の銅メダルと合わせて2つのメダルを手に入れて、10代最後の大会を有終の美で飾った。だが種目別の床運動は金メダルが期待されながら4位で終わった。その悔しさがあるからこそ、飛びだした20歳の決意だった。

 その白井の目指すところは「東京五輪での個人総合出場」だ。2連覇した内村は、全6種目をほぼ完璧にこなすオールラウンダー。一方の白井は、床運動や跳馬などで突出した技術力を持つ“一芸型”だ。この4年でさらに技に磨きをかければ、従来の個人総合の選手とは異なる選手となる可能性を秘めている。

 今大会は代表最年少だったが、次の大会は主軸となる意思は強い。「若さと勢いある演技でチームニッポンを元気づけられたら」。4年後の東京へ、白井は新たな1歩を踏み出した。【秋吉裕介】