1日の東京マラソンで2時間5分29秒の日本新記録を樹立した大迫傑(28=ナイキ)が、東京オリンピック(五輪)代表に決まった。この日のレースで日本記録を更新し、日本人1位となる選手が現れず、大迫が男子3人目の枠に確定した。

「単純に速くなっていく。それを追求していくだけ。自分を信じて進んでいきたい」

東京マラソン後にそう語った大迫にとって、マラソンでは初めての五輪だ。昨年9月のマラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)は3位。代表内定を逃した悔しさを糧に、新しい経験を模索した。2カ月半のケニア合宿では、標高2400メートルの地で練習し「1人で耐えることを学んできた」。長野・佐久長聖高、早大、社会人とキャリアを積んできた男のたくましさが一段と増した。

すでに東京五輪代表にはMGC1位の中村匠吾(27=富士通)、同2位の服部勇馬(26=トヨタ自動車)が名を連ねている。厳しい戦いを制した3人が8月9日、札幌のスタート地点に立つ。

◆大迫傑(おおさこ・すぐる)1991年(平3)5月23日、東京・町田市生まれ。金井中(東京)-佐久長聖高-早大-日清食品グループを経て、ナイキ・オレゴンプロジェクトへ。16年リオデジャネイロ五輪は5000メートルで全体28位、1万メートル17位。マラソンは17年ボストンで3位に入り、日本人では瀬古利彦氏以来30年ぶりの表彰台。18年10月のシカゴ・マラソンで2時間5分50秒の日本記録を樹立し、20年3月の東京マラソンで更新した。3000メートルと5000メートルの日本記録も持つ。170センチ、52キロ。