シンデレラガールが東京オリンピック(五輪)代表の座を射止めた。一山麻緒(22=ワコール)が冷たい雨をものともせず、日本歴代4位の2時間20分29秒で優勝した。1月の大阪国際女子マラソンで松田瑞生(ダイハツ)が記録した2時間21分47秒を上回って条件を満たし、マラソン女子代表の最後の1枠に決まった。野口みずきが持っていた2時間21分18秒の日本人国内最高記録を塗り替え、大会記録も更新した。

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おとこ気、カモン! 一山の報奨金半額問題が8日、浮上した。一山の優勝タイムは2時間20分29秒。日本実業団連合が15年にスタートした報奨金制度では設定A(同21分59秒以内)相当。本来は選手1000万円、チーム500万円が支給されるが、同制度の残金は800万円しかない。

報奨金がオーバーした場合、残金の3分の2を選手が、3分の1をチームが受け取る規定だ。一山は536万円、チーム264万円となる。だがそこに「待った」をかけたのがワコールの永山監督だ。「そこはおとこ気ですよね。『予算がない』ではなくて、こっそり準備してもらって、選手の頑張りに報いるのが大人のおとこ気でしょう」。

同制度は当初から早いもの勝ちで、資金がつきたら終了だった。残金が少なくなったのは、男子で好記録が続出した1日の東京マラソン。大迫傑の日本新1億円ボーナスなど計1億7000万円をはき出した。最後の対象大会だったこの日を前に日本新の1億円ボーナスは消滅していたが、好走した一山にも満額は支給できない状況となった。

同連合理事も務めている、日本陸連の河野匡長距離マラソンディレクターは、残金不足について「ない袖は振れない」と断った上で「4月まで募集します。このあと協賛金を集める。ぎりぎりまで頑張る」とベストを尽くす考え。おとこ気を見せるのか、ない袖は振れないのか。ナイキの厚底シューズもあって、好記録続出のマラソン界。その「底力」が試されている?

<一山 麻緒(いちやま・まお)>

◆生まれ 1997(平9)年5月29日、鹿児島県生まれ

◆ニックネーム まおちゃん、いっちー

◆陸上を始めたきっかけ 運動会のかけっこで、1等賞が取りたかったから

◆競技歴 出水中時代に800メートルと1500メートルで県大会入賞。出水中央高では1500メートルと3000メートルで全国高校総体出場も決勝進出ならず。16年にワコール入社後に頭角を現した。17年世界クロスカントリー、18年世界ハーフマラソン日本代表

◆趣味 ショッピング、料理

◆憧れの選手 チームメートの福士加代子

◆サイズ 158センチ、43キロ