男子100メートル決勝で多田修平(25=住友電工)が初優勝し、東京五輪切符を得た。追い風0・2メートルの条件下、10秒15を記録。5年前のリオデジャネイロ五輪時は無名だった男が、初五輪で32年ロサンゼルス大会の吉岡隆徳以来、89年ぶりの決勝進出を誓った。3位山県亮太(29=セイコー)も五輪内定し、参加標準記録を突破済みの4位小池祐貴(26=住友電工)も決定的。2位にデーデー・ブルーノ(21=東海大)が入り、桐生祥秀(25=日本生命)は5位、サニブラウン・ハキーム(22=タンブルウィードTC)は6位となった。

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◆選考方法 1位の多田、3位の山県はともに参加標準記録(10秒05)を突破済みで、「3位以内」に入ったため2人は代表に決定。2位のデーデーは参加標準記録をクリアできておらず、世界ランキングでの出場資格にも遠く届いていない。そのため日本選手権で「3位以内」には入ったが、100メートル代表にはなれない。残る1枠は参加標準記録を突破した選手の中から、日本選手権の上位順で選ばれるルール。そのため4位の小池が決定的で、1種目最大3人までの条件から、5位の桐生、6位のサニブラウンは落選となる。

男子400メートルリレーについては、日本選手権が選考上「最重要選考競技会」と位置付けられている。100メートルの代表選手に加え、200メートルの代表選手との兼ね合いになるが、デーデーが代表入りする可能性も十分。また「特性と戦略を考慮」して選考するとされており、桐生やサニブラウンの可能性も残っている。