伏兵、デーデー・ブルーノ(21=東海大)が2位に入った。オリンピック(五輪)参加標準記録(10秒05)に達していないため、現時点で東京五輪の出場資格はないが、存在感は十分。終盤に鋭く伸び、自己新記録の10秒19をマーク。予選2組、準決勝2組、そして決勝と3本とも2着。1着は全て多田という巡り合わせ。一気に名を上げ「昨日の予選から調子がいいのは分かっていた。目標は5番以内に入ることだったが、結果として2番に入れて、すごくうれしい」と喜んだ。

ナイジェリア人の父と日本人の母を持ち、長野・創造学園高2年時に陸上を始めた。もともとサッカーをしていたが、本人いわく「駄目だった」。1年の秋ごろサッカー部をやめた。以降、放課後は飲食店でバイト生活を5カ月ほど。「キッチンでハンバーグ作ってました。たしか時給880円とかだったと思います」。2年時に陸上部へ。そこからわずか6年ほど。大器が、短期間で素質を開花させつつある。