女性蔑視発言で辞任の意向を固めた東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が後継として指名した、日本サッカー協会(JFA)相談役の川淵三郎氏(84)が一転、会長職を辞退する考えを示していることが12日、分かった。組織委幹部が取材に明かした。

11日に、森氏の自宅で会談し、一時は受諾の意向を報道陣に明かしていた。しかし、森氏が後継を指名する形や、川淵氏が森氏に相談役を依頼すると表明。そのことで結局、森氏の影響力が組織委に残ることが、再び世論から批判を受けていた。

官邸や政府内でも森氏が後継指名した過程に難色を示している。組織委幹部も「森会長の意向が働いていると、世間からは納得されない」と、自浄作用を働かせるために、新会長候補は白紙に戻った。

12日午後3時から組織委は理事と評議員を集めた緊急会合を行う。組織委の武藤敏郎事務総長はこの日朝「全く何も決まっていない」と白紙を強調していた。

新たな新会長候補として夏冬7度の五輪出場を果たしている橋本聖子五輪相の名前が浮上している。