東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長候補に挙がっていた日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏(84)が12日、理事会と評議会の合同懇談会に出席した後、報道陣の取材に応じた。以下、一問一答。

-森氏を相談役にすると言ったら国際的な批判を受けることは分からなかったか

「まだ会長になっているわけではないし、いろんな情勢も分かってないし。だから僕は黙っていれば、皆さんは書くことないわけだから、本当は何もしゃべりたくない。でもあれだけ自宅前にマスコミがワーッといたら、僕のサービス精神が許さない。だからそういう中でああいう記事がワイドショーにどんどん出た。森さんと理事の方に申し訳ない。理事の資格もないのに言うなという人がいてもおかしくない」

-辞退宣言した時の回りの受け止めは

「シーンとされていた。言葉はない。良かったなと思ってくれたんじゃない」

-森氏へはどのような気持ちか

「森さんに対してあまりいろんなこと言いたくない。森さんを傷つけたくないから」

-正しい会長の選び方はもっと公正にする必要がある

「会長になるのは理事の互選で決める。俺は理事ではない。資格はない」

-そうであれば昨日の発言はおかしいのでは

「理事になるということは推薦があったら。評議員会から理事の資格が与えられて、そうなる」

-選手村の村長は続けるか

「それは続けたい」

-今後選考委員会にお名前が挙がった場合は

「それはノータッチです。挙がらないとは思うけど」

-政府が介入してきたことは非常に残念だ。どう思っているか

「政府が介入してきたかどうかはどうか分からない。俺を外すということで?政府がそう言ったということで報道があったが、詳しい話は全然分からない」

-今朝、報道を受けてまずいと思ったか

「昨日ぐらいからまずいなと思ったね。俺だけ理事でもないのに突出して会長候補となっていることに、どう考えても異常だもん。僕が仮に組織委の理事だったら不愉快に思うよね。なんだこいつって」

-辞退を決めたのは本日

「昨日ぐらいからね、白紙に戻してほしいということを言うつもりだった」

-森氏は何と言っていたか。

「森さんには言ってないのよ。ちょっと僕としては気がかり。でもそれは分かってくると思うよ。会議前には言っていない」

-評議員は続けるのか

「それは関係ないでしょ。評議員は評議員でやりますよ」

-今回の流れは大失敗じゃないんですか

「大失敗はマスコミが僕の家に一気に押し寄せてきて、会長候補について森さんから何を言われたかと聞かれたときに、いや、何も言われてないよと家に入ることが正解だったな。大体そういうことはJリーグの理事長の頃からできなかったたちだからね、これはしょうがないよね」

-まわりの理事から透明性を言われたのは

「それは常識的な話で、透明性な形で、ちゃんと会議が行われて、ちゃんとした形で、しかもオープンな形で選挙をしなければならない。前段で新聞に書かれて、そこに透明性、公平性に一番反していることじゃないのかと思う。だから途中で遮って、全ての責任は僕にありますと言った」

-今日の懇談会で公認候補は出たか

「一切出ていない。選考委員会の在り方の中で透明性、公平性の話が出て、僕はすごく胸の痛い思いをして、辞退した」

-透明性、公平性の面では森さんにも責任がある

「森さんのことは置いておいてよ」

-昨夜、武藤さんから白紙に戻してほしいという説得があって、今日の朝に辞退を決めたという流れか

「その前に武藤さんに、やっぱりちょっとあれだから、そういう表明をしたいと言っていた。夕方、昼間かな。それで夜になって2、3回電話がかかってきて遅くまで話をして、僕は白紙撤回をいつ言うかという話をしていた。午後10時過ぎかな。その時には腹を決めていた。別に候補にも何にも選ばれていないのに、全てマスコミの皆さんが誤解するような言動をしたことに対する自分の責任ということを感じて、辞めたということ。全て俺が悪い。みんな僕が悪い」

-武藤さんは昼から夜にかけてなんと言ったか。森氏の選び方についてか

「森さんについては何も言わない。僕がマスコミにこんな風に書かれている。僕はしんどいわけだよな。どういう風に白旗を揚げようかと思っていたところ、武藤さんもこうした方が良いということを、武藤さんは絶対に言わないもんね。何となくそういう方向に誘導していた。そうでもないか?このようにしゃべることが良くないんだよ。サービス精神旺盛だからどんどんしゃべっちゃうと、その中の一部を切り出して皆さん書くでしょ。もうこれで終わり! もうしゃべらない!(笑い)」