女性蔑視発言の責任を取る形で辞任した東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が12日、組織委職員へ会長としての最後のメッセージをメールで送付した。以下、メールの全文(原文ママ)。
職員の皆さん
このような形で、東京2020大会を支えてくれている皆さんにメールを申し上げなければならないことを、どうかご容赦ください。
先週の私の発言で皆さんに不愉快な思いをさせてしまいました。厳しい意見が相次ぎ、皆さんも仕事の関係者や出向元、ご家族などからも説明を要されたかもしれません。これまで私を支えて、毎日一生懸命に仕事に取り組んでくれた皆さんに辛い思いをさせ、迷惑をかけてしまったことに、心よりお詫びいたします。
本日、評議員・理事の皆さまがお集まりの場で、組織委員会の会長を辞する決心を伝えました。
2014年1月24日に組織委員会が設立され、あれから7年。本当にいくつもの難局を乗り越えてきましたが、そのたびに、職員の皆さんの頑張りに支えられてきました。史上初の大会延期においても、数多くの関係者との難しい調整をやり遂げていただいて、もうあと階段数歩のところまで来られました。苦労の数々を思い起こすと、オリンピック・パラリンピックは、つくづく、高い山だなと思います。
アスリートにとっては、オリ・パラ55競技で世界のわずか1万数千人しか出場できない舞台。しかし、ふと、その世界の大舞台を支える職員もわずか数千人だと思うと、本当に皆さん一人一人が、この広い世界で価値あるかけがえのない存在だったことにあらためて気付かされます。
春も近づき、数々のスポーツがシーズンを迎えはじめました。その景色を見ていると、隔絶されたような今の世の中において、スポーツが人々の繋がりや絆に寄与し、社会において大きな役割を果たしていることをあらためて実感します。東京2020大会も、必ずや社会に大きな価値をもたらすことを信じ、是非皆さん準備に邁進してください。
企業や官庁などから出向いただいて、生まれも育ちも、仕事の進め方も全く違う人たちがこれだけ大勢集まっている集団は、どこを探しても日本でここだけだと思います。それだけに、組織が一体となることには、一番気をつかってきました。皆さんが見事にチームでそれをなしとげてくれたことはとてもうれしく、また、敬意を表したいと思います。
出向により、大事な人生において、思いがけずにオリンピック・パラリンピックの仕事をやることになって、本人の不満や家族の不満もあったのではないかと思う。それを乗り越えてきてくれたことにも感謝します。長い人生の中ではわずか数年かもしれませんが、偉大な仕事にとりかかることができたことに、誇りを持って、自信を持って、堂々と歩んでください。
大事な時期に、山積する課題を残して職を辞することは、痛恨の極みです。本当に申し訳ありません。
大会が大成功することを、心から祈っています。7年間、本当にありがとうございました。
2021年2月12日
東京2020組織委員会会長 森喜朗


