東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が18日、都内で会見し、開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクター佐々木宏氏(66)が不適切な演出案の発想で辞意を表明した騒動について、事実関係等の調査結果を報告した。

佐々木氏は、開会式に起用予定だったお笑い芸人、渡辺直美(33)の容姿を侮辱する演出案を考案していたと17日に文春オンラインで報じられたことを受け、同日夜に辞意を表明。報道では、前演出チームのメンバーだった振付家MIKIKO氏を追放したとの記述があった。その点について確認の質問が飛ぶと、同席した武藤敏郎事務総長(77)が説明した。

「7人のクリエーティブディレクターが議論してきたので、我々としては立ち入らないようにした。メンバーの中には、いろいろな思いがある。しかし、記事に書かれていることは、それぞれ思いがありますので私から事実かどうか申し上げる立場にない」とかわした。

20年の開会式の準備段階で、責任者がMIKIKOさんになった経緯については「企画が進むに当たって」とし「大きなコンセプトを議論し、具体化し、実践していく段階があると思うが、専門性が必要になる。19年ぐらいから。MIKIKOさんはダンスパフォーマンスの専門家でありますので(演出を最後に詰めていく段階で)責任者になった」と明かした。

文春報道の事実関係の確認の詳細について、佐々木氏以外に確認したところを聞かれると「もちろん事務局もありますし、考えられる関係者については確認した。その中で特に関心を持ったのは、女性蔑視と言われている部分。書かれていることはいろいろあるが、女性蔑視の部分を重点的に確認した」とした。

MIKIKO氏には「うかがうことはなかった」と確認しなかったという。

また、MIKIKO氏が辞任した理由については「ご本人の気持ちを聞いたものを、私が言うのは適切ではない。チームの中で一緒にやっていくのは困難であったと。納得できないことがあるという趣旨だったと思う。ただ、メンバーそれぞれのお気持ちとなる。我々が立ち入るのは控えた方がいい。お互いの話し合いの中で理解されるべきことだとなった。どういう気持ちで何を考え、何に不満があるかは7人の中で議論していただく。7人のやるべき仕事」と一線を引いていたことを強調した。