東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会が、五輪開幕50日前となる3日に大会の表彰式アイテム(表彰台、衣装、メダルトレイ、音楽)発表会を東京・有明アリーナで行った。

衣装のデザインは公募を行い、生駒芳子氏を委員長に迎えた審査会をへて、ファッションディレクターの山口壮大氏に依頼した。現代の祭典にふさわしい「新しい礼服」をコンセプトとして「かさね」「おり」「結び」「染」といった、和の情緒と暑さ対策など洋の機能性を兼ね備えたデザインを目指した。

生地は埼玉県飯能市、縫製を岩手県花巻市、染めは東京都、ベルト組紐は京都府宇治市、トレイは福井県蟹江市といったように全国の作り手によって手掛けられた。

山口氏は「和服と洋服の良い部分を組み合わせて、快適に着ていただけるようにしました。僕も(表彰台デザインの野老朝雄氏と)同じく『つなげる』ことを意識していて『おり』が1つの柄になっていくことを目指しました。大変だったのは、今の日本の物作りのクオリティーを正しく伝えるためにどうするか、ということ。全国の作り手の方々と作っていくことは大変であり、とても有意義なことでした。和服が織りなすたたずまいには情緒を感じます。洋服と違い、体の布の間に空間がある美しさを感じていただきたい」と話した。

衣装は、男女同スタイルのジャケットに、ワンピースとパンツスタイルの2タイプを用意。老若男女約500人のボランティアは、この2タイプから好きな衣装を選択する。衣装、トレイともにリサイクル素材を使用し、持続可能性に貢献することもテーマとしている。

東京大会では五輪が339回、パラリンピックが539回の計878回、表彰式(ビクトリーセレモニー)が行われる。【木下淳】