日本代表が、五輪前最後の演技を終えた。乾友紀子(30=井村ASク)吉田萌組(25=ザ・クラブピア88)がデュエットフリールーティンを、チームはテクニカルルーティン(TR)をエキシビションで披露。井村雅代ヘッドコーチ(HC、70)は、本番ぎりぎりまで改良を加えていく構え。ロシア、中国、ウクライナに次ぐ世界4位の格付けを壊し、逆転メダルを手にするためにブレーキはない。

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チームTRの冒頭。「空手2020」の陸上動作を変更した。選手同士が至近距離で鋭い突きを繰り出す。前日16日に取り入れた改良版。乾は「肩がぶつかるような選手もいます」。あえてぎりぎりの緊張感を演出した。井村HCは「空手がASの振り付けになるのが嫌。間違えると当たるし、足がもつれるが、本当にみぞおちに入るぐらいじゃないと」。リスクはあっても、迫力を最優先した。

19年世界選手権はメダルなしで日本の位置付けは世界4位。直接対決で上位国との評価を逆転させる機会は、コロナ禍でなかった。井村HCは「メダルを奪還する五輪。失うものは何もないし、19年に十分失った。下手が守ってもしょうがない。攻めていくしかない」と腹をくくる。「日本人は控えめでちゃんとしてる。でも戦いは礼儀正しくやっている場合じゃない。けんか半分、闘志むき出し」とキーポイントを掲げた。