★希望の党と同党代表・小池百合子の「緑のタヌキ」ぶりは、いささか度を過ぎている。自身の都知事選のように自分のことだけならともかく、党を率いる代表でありながら前言を翻すなど、発言が二転三転する。都合が悪くなれば、「リセット」と言えば通用すると思うのは、国民をバカにしている。そもそも党代表以外の役職がないのもおかしなことだ。政治はゲームではない。国民を混乱させてはならない。これでは小池の個人商店だ。小池は新しい政治を模索し、「スピード感」やテレビでの「小池劇場」を演出するが、ただの思わせぶり政治ではないのか。

 ★衆院選に出るか出ないかをメディアは追いかけるが、それはこの選挙の本質ではない。有権者にとって小池が都知事を辞めることの問題や、都知事でありながら国政に首を突っ込むならば、党代表を辞めるべきか否かが問われているのではないか。政治のレベル低下を食い止めようとする声が上がる。

 ★立憲民主党代表・枝野幸男は「右か左かなんていうイデオロギーの時代じゃないんです。上からか草の根からか。これが21世紀の本当の対立軸なんです。保守とリベラルがなんで対立するんですか。保守とリベラルは対立概念ではありません」。自民党の英訳は「リベラル・デモクラティック・パーティー」。個人の自由や多様性を重んじる穏健な自由主義思想を左派というのは、55年体制の価値観。古い政治ではないのか。

 ★つまり小池は新しい政治を演出しているように見えるが、古い政治の踊り場にいるだけだ。この衆院選の本質を小池にずらされてはならない。(K)※敬称略