中日の連勝を止めたのは、なんといっても平良の好投による部分が大きい。1回り目はカーブやカットボールなど変化球を中心に攻め、一転、2回り目は真っすぐで勝負した。ビシエド、アルモンテら相手の主軸に的を絞らせなかった捕手の伊藤光も良いリードをしていたと思う。

例えばビシエドに対しては第1打席は緩いカーブで三振に打ち取り、第2打席は142キロ外角直球で再び空振り三振に仕留めた。ビシエドは1回り目で平良が他の打者に対しても変化球を多く投げているのを見て、完全に頭にそういう配球がすり込まれていた。

平良はこれで2勝目(2敗)だが良いピッチングを継続しており、防御率は1・62。この試合でまた自信をつけたのではないか。また8回2死一、三塁で登板した三嶋も、あのしびれる場面でよく抑えた。

中日先発の柳も立ち上がりに3点を失ってからズルズル崩れないところはさすがだった。その後も本当に自信を持って投げていたし、しぶとく0点で抑えるところは、やはり9勝を挙げている投手だなと感じた。

逆に、DeNA打線は初回の3点だけで終わってしまったところが、試合を接戦にしてしまった原因だ。打線が淡泊で、次の1点をどう取るかというのが今日は見えなかった。何日かに1回は今日の柳のような良いピッチャーと対戦する。そこでしつこい攻撃ができないと、なかなか連勝することはできない。(日刊スポーツ評論家)