【大阪桐蔭元主将】安定のJR東海を脱サラ…後押ししてくれた最愛の母／連載〈10〉

大阪桐蔭元主将の廣畑実さん（29）の野球技術指導と球歴に迫ってきた「ミノルマンのひきだし」の最終回。「ホームランを打ちたい」という野球少年の夢を一緒に追いかけながら、また別の目標を持っていた。亡き父の思い出、母への感謝、兄と仲間で設立した会社。めっちゃ大事なひきだしを開けた。

野球2023.07.14 11:00

久我悟

◆廣畑実(ひろはた・みのる)1993年(平5）8月27日生まれ、大阪府出身。大阪桐蔭の内野手として2年のセンバツに出場。秋から主将を務める。1年下に藤浪晋太郎（アスレチックス）らがいた。亜大―ＪＲ東海と進み、右肘故障の影響で16年に現役引退。退社後に野球塾、オンライン指導など小、中学生に野球を教える。19年9月にYouTube「ミノルマンチャンネル」を開始。650本以上配信し、現在10万3000人の登録者数は野球技術指導動画としては最大。168センチ、75キロ。右投げ左打ち。

ヘッドランバット

ホームランの打ち方を指導するミノルマンが生み出した、ヒット商品がある。

打撃練習用の「HEAD　RUN　BAT」（以下ヘッドラン＝1万7600円）と「GET　LINE　BAT」（同ゲットライン＝1万8700円）。ともに一時は欠品状態になる売れ行きだった。

ヘッドランは長さ90センチで重さ900グラム（通常サイズ）。重さはプロや高校生が使用するバットと変わらないが、5センチほど長く、ヘッドだけが筒状で、スイングするにはかなり重く感じる。このヘッドの重みを利用してスイングすることで、ヘッドスピードを上がり、飛距離アップを目指せる。

中2年の横川蒼空さんはヘッドランでティー打撃を行った

ゲットラインは95センチ、900グラム。バットの先端が分厚い羽子板状になっていて、グリップが太いこけし状。ボールを板面で正しく捉えると、気持ちのいい打感が得られることで、ミート力アップにつながる。

ともに企画から設計まで、廣畑氏が手がけた。ヘッドランの発想の原点になったのは、亜大3年の終わりごろにつかんだ打撃のコツだった。

ミノルマンバットのヘッドを利かせて打つようになってから、劇的に変わったんですよ。「よし行こう」と分かったのに、ヒジをケガした。社会人になって、ヘッドを利かせたらめちゃくちゃ打てた。結局またケガで引退したんですけど、ヘッドを利かせるためのアイテムがないかと考えてました。

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編集委員

久我悟Satoru Kuga

Okayama

1967年生まれ、岡山県出身。1990年入社。
整理部を経て93年秋から芸能記者、98年秋から野球記者に。西武、メジャーリーグ、高校野球などを取材して、2005年に球団1年目の楽天の97敗を見届けたのを最後に芸能デスクに。
静岡支局長、文化社会部長を務め、最近は中学硬式野球の特集ページを編集している。