【DeNA南場智子オーナー塾】新人に説く、大成する選手としない選手の違い/後編

DeNA南場智子オーナー(62)の講義をお届けします。

1月にDeNA本社を訪問したルーキー9選手に、約40分にわたり熱く語りました。「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」や「タクシーGO」など、手がける事業内容の説明の他、今季にかける思いや、野球界の重鎮に聞いた「大成する選手としない選手」の違いを伝授。ビジネス界で名をはせるオーナーの言葉を、新人たちが聞き入りました。

前後編の後編です。

プロ野球

DeNAの本社を訪問した新人たちと南場オーナー(撮影・小早川宗一郎)

DeNAの本社を訪問した新人たちと南場オーナー(撮影・小早川宗一郎)

「思いの強さ、ビジネスは全く一緒」

気になってると思うんだけど、大成する選手としない選手がいるんだよね。みんな入団する時はとんでもなく才能に恵まれた選手なんだけど。実力を発揮してる選手で、周りもうらやむような野球の才能じゃない? ところが、大成する選手としない選手がいるじゃないですか。それはどこが違うんですかって、私は最近野球界の重鎮に会うたびに聞いてます。そこはちょっとみんなも気になると思うんで、それだけ共有したいなと思います。

大成する選手としない選手の違いは、2つのことに集約されてるんだよね。

いろんな人がいろんな言葉使うけど、基本的には「思いの強さ」だと。どれだけ野球選手として大成したいと思うか、成功したいと思うか。もっともっといい選手になれる、自分はなれるっていう信念を疑わずに、それを諦めずに持ち続けるかっていう思いの強さなんだそうです。これはビジネスはもう全く一緒。スタートアップの起業家もみんな一緒ですよ。

南場オーナーが全幅の信頼を置くDeNAスカウト陣。昨年12月、サッカー英プレミアリーグの名門アーセナルを訪問(球団提供)

南場オーナーが全幅の信頼を置くDeNAスカウト陣。昨年12月、サッカー英プレミアリーグの名門アーセナルを訪問(球団提供)

「切れ目のない努力、いい時も悪い時も」

それからもう1つ。

結局は「切れ目のない努力」です。いい時も悪い時も努力をするかどうか。こういう平凡なことなのよ。

思いが強いかどうかとか、努力を続けられるかどうかって、才能はみんなあるわけだから。ある人しか選んでないんです。ベイスターズのスカウト、めちゃくちゃ優秀です。うちのスカウトが認めた人材は必ず才能があります。この前、ある大成している選手に「フィジカルエリートなんですよね?」みたいな話をしたらですね。「自分全然なんですよ」と。本人自身は全然認識してないこともある。

だけど、ベイスターズのスカウトが、この人は大丈夫と思って認めた人は絶対に才能あります。才能なかったねっていう人は今までもいないんだよね。だから自分は本当なのかなと思っても、そこはもうベイスターズのスカウト信頼してください。十分に才能に満ちあふれた人しか選んでないです。

チームも個人も必ずスランプはある。苦境の時の処し方こそ大事だという

チームも個人も必ずスランプはある。苦境の時の処し方こそ大事だという

「スランプ、苦境、そういう時の処し方が…」

結局はだけど、この「思いの強さ」と「切れ目のない努力」は自分です。

先輩見てこの人、思いが強いなとか、努力してるなとか、わかる人もいれば、わからないようにやってる人もいます。後輩の前で涼しい顔をしたいタイプもいる。努力をしてるところをむき出しにする人もいれば、隠してる人もいます。どうか先輩がどう見えようと、自分なりのレベルの高い努力ってのを続けてほしいなと。ここは自分を律し続けてください。最後、自分しか頼りになんないよね、ここはね。

そんなに才能のある人が切れ目のない努力をしても、強い思いを持ち続けても、必ずスランプはあるし、とんでもない苦境ってあるじゃないですか。そういう時の処し方っていうのが、実はさっき言った、消えない記録にすごく刻まれます。どんなスランプの時も、あるいは出番がない時も、それでも自分ができる範囲のことをやっておこう、やらなきゃと。

自分ができることは全部やろうとしている姿なのか、腐っていく姿なのか。それはもう全部、球団も見てるけれども、世の中も見てる。そういったことも意外と重要な記録になります。

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1998年3月生まれ。東京都あきる野市出身。都立富士森では硬式野球部に所属。中大商学部を経て、2020年4月入社。同年10月から野球部配属で同12月から巨人担当、24年1月からDeNA担当を務める。26年は巨人担当。
趣味は海外サッカーなどのスポーツ観戦、映画鑑賞、サウナ。下手くそだけどマイブームはゴルフ。好きな食べ物は地元の八王子ラーメン。