【はるすみペア物語〈下〉】結成1年、日本の未来を担う「世界ジュニアでメダルを」

フィギュアスケートの世界ジュニア選手権は3月1日(日本時間2日)、カナダ・カルガリーで開幕します。ペアで初出場を果たすのが村上遥奈(14)、森口澄士(すみただ、21)組(木下アカデミー)です。

22年1月に初めて2人そろってのジャンプ「サイド・バイ・サイド」を試してから、わずか1年。愛称「はるすみ」の2人はメダルを目指すジュニア最高峰の大舞台を前に、日刊スポーツのインタビューに応じました。3日連続でお届けする連載の最終回は今季抱いた思い、世界ジュニア選手権に向けた誓いです。

フィギュア

〈ペアで初出場 3月1日世界ジュニア選手権直前企画〉

22年全日本で演技をする村上(左)森口ペア

22年全日本で演技をする村上(左)森口ペア

ジュニアGP、反省と収穫と

「はるすみ」で臨む初めての国際大会、22年9月のジュニアグランプリ(GP)シリーズ第2戦チェコ大会は4位に食い込んだ。ショートプログラム(SP)6位で迎えたフリーは武器の3回転サルコー-3回転トーループ-ダブルアクセルの3連続ジャンプを成功。だが、満足しなかった。

村上 日本のチーム、ほぼみんながメダルを取って帰ってきていました。私たちは4位。メダルを取れなかったことが、すごく悔しかったです。

森口 僕は正直なところ、デビュー戦であんなにうまくいって、うれしかったです。ただ、最後にみんながメダルを持って写真を撮っている時に、遥奈ちゃんがとても悔しそうな顔をしていた。僕もそこで急にむちゃくちゃ悔しくなりました。「スケート人生で初めて」というぐらいの悔しさでした。

約1カ月後には第5戦ポーランド大会がやってきた。SPは4位発進。そこからフリー2位の高得点で浮上し、3位で表彰台に立った。4位のフランスペアとは0・32点差。今度はわずかな差でメダルを取った。

村上 ポーランドに向けて悪かったところを改善して、練習していました。メダルを取れたことは、すごくうれしかったです。

森口 チェコの結果で「次に絶対にメダルを取りたい」と頑張る気持ちが大きくなっていました。ポーランドで3位になれた。海外での初のメダルで、それはとてもうれしかったです。

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球などを担当。22年北京冬季五輪もフィギュアスケートやショートトラックを取材。
大学時代と変わらず身長は185センチ、体重は90キロ台後半を維持。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。