【はるすみペア物語〈上〉】豪州から来た村上遥奈と、高橋大輔に魅せられた森口澄士

フィギュアスケートの世界ジュニア選手権は3月1日(日本時間2日)、カナダ・カルガリーで開幕します。ペアで初出場を果たすのが村上遥奈(14)、森口澄士(すみただ、21)組(木下アカデミー)です。

22年1月に初めて2人そろってのジャンプ「サイド・バイ・サイド」を試してから、わずか1年。愛称「はるすみ」の2人はメダルを目指すジュニア最高峰の大舞台を前に、日刊スポーツのインタビューに応じました。3日連続でお届けする連載の第1回はオーストラリア出身の村上、京都出身の森口が、ペア結成に至る道のりをたどります。

フィギュア

〈ペアで初出場 3月1日世界ジュニア選手権直前企画〉

22年全日本でペアフリーの演技をする村上(上)と森口

22年全日本でペアフリーの演技をする村上(上)と森口

豪州パース育ち、アイスショー観てのめり込んだ村上遥奈

広大な自然、美しいビーチ…。村上は8歳まで、オーストラリア西部のパースでのびのびと育った。

村上 お母さんは兵庫県、お父さんが香港の出身。1度、オーストラリアで「ディズニー・オン・アイス」に連れて行ってもらって「スケートをやりたい!」「リンクに行きたい!」って言っていたみたいです。

4歳だった少女は数時間のショーでスケートの魅力にのめりこみ、何度も何度も両親に「やりたい!」とねだった。5歳になってリンクに足を運び、フィギュアスケート選手への第1歩を刻んだ。

村上 まずスケート教室で始めて、半年後には先生に「ちゃんと選手としてやってみない?」と声をかけてもらいました。「オリンピックに出たいな」と思いながら練習していました。

お絵描きをすると、そこに「ISU」(国際スケート連盟)の文字があり、浅田真央のトリプルアクセルや羽生結弦の4回転ジャンプに憧れた。8歳となり、さらなる成長を志す娘の思いを汲み、母は関西の浜田美栄コーチに連絡を入れた。約1カ月間の“短期留学”を経て、家族そろって日本を拠点とすることになった。

村上 オーストラリアから日本に来て、最初は関大で練習をさせてもらっていました。所属が「京都醍醐FSC」だったので、京都府連盟の練習が京都アクアリーナでもありました。

のちにペアを組む7歳上の森口も、その場にいた。

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球などを担当。22年北京冬季五輪もフィギュアスケートやショートトラックを取材。
大学時代と変わらず身長は185センチ、体重は90キロ台後半を維持。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。