【尊富士の言葉】「土俵に上がったら、何かが生まれるんじゃないか」優勝一夜明け会見全文
大相撲春場所で110年ぶりの新入幕優勝を果たした、東前頭17枚目尊富士(24=伊勢ケ浜)が、千秋楽から一夜明けた25日、大阪市内で会見した。14日目の前頭朝乃山戦で負傷した右足を引きずりながら、当初予定よりも遅れて午前10時13分に会見場に到着。終始笑顔で行われた会見の一問一答を、全て紹介する。
大相撲
代表質問
――おめでとうございます。お疲れのところありがとうございます。昨日は千秋楽パーティーをはじめとした宴は何時ぐらいまで
尊富士 何時だろう。5時ぐらいじゃないですかね。
――まだ朝起きてからそんなに経過していない
尊富士 そうですね。
――だいぶ疲れは出ましたか
尊富士 いやぁ、でも。数時間しか寝ていないですけど、なんか場所中よりもよく眠れたなと思いますね。
――全部終わっていかがでしょう
尊富士 そうですね。体は痛いですけど。
――実感はどうですか
尊富士 まあ、何ですかね。まあ、いろんな人から連絡がくるたびに、本当に優勝したんだな、と。
――大変なことをやってのけた実感は
尊富士 いやぁ、ないっすね。逆に。ここまできたら。
――15日間の相撲を振り返って、どんな15日間でしたか
尊富士 そうですね、本当に。場所前にちょっとアクシデントがあって、自分自身の体が。その中で本当に、どうやって幕内初めての場所でしたし。その中でどうやって相撲を取ろうかなと思った時に。その時から気持ちで負けないと。はい。必ず、勝ち越して2桁(白星)いきたかったという気持ちもあったので、とりあえずやってみようという中で。だんだん体が慣れてきて。痛みに。そこでなんか、逆にいい流れに持ってこれたんじゃないかなと思います。はい。
――アクシデントの右脇腹はずっと痛かったのですか
尊富士 ずっと痛かったですね。
――最後まで
尊富士 最後まで。
――右脇腹の診断名は
尊富士 肉離れです。
――優勝を意識したのはどのぐらいからですか
尊富士 どのぐらい…。本当に14日目ぐらいじゃないですか。
――勝てば優勝の
尊富士 はい。
――あの相撲は少し優勝を意識した
尊富士 もう、めちゃくちゃ意識しましたね。
――それまでとは違う感覚
尊富士 それまでは何も、特に考えなかったですけど、急になんか…。逆になんか…。考えるようになっちゃって。その中で全然、体も動かなかったですし。本当に。体がおかしかったですね。
――その中で右足を負傷。どういう状況で負傷したのか
尊富士 相撲取っている最中に。
――最中
尊富士 最中です。
――途中ですか
尊富士 途中です。
――土俵の中で
尊富士 土俵の中で。
――診断名は
尊富士 靱帯(じんたい)損傷です。
――骨は
尊富士 大丈夫です。
――そのけがから、翌日に出場を決めるまで、心の動きはどんな感じでしたか
尊富士 本当に最初は、人の肩を使わないと歩けなくて。相撲どころじゃないというか。今後の自分の相撲人生に影響してくるかなと思って。本当にそれもありましたし。その中で、これで土俵に立ったら、ファンの皆さんとか、多くの人に、なんか…。なんていうんですかね…。絶対に勝てないだろうと思うじゃないですか。その中で自分も最初は無理だと思ったんですけど(師匠の伊勢ケ浜)親方(元横綱旭富士)に話した時は「しょうがないな」と。その時は正直、僕もあきらめていたんですけど、急に部屋の横綱(照ノ富士)が自分のところに来てくれて「どうだ?」と聞いてきて。「この状況はきついです。歩けないですし」と。そうしたら横綱自身のいろんな話を聞いて。「お前ならやれる。記録はいいから、お前は記憶に残せ。勝ち負けじゃない。最後まで出ることが大事。負けてもいいから。しょうがない。でも、このチャンスはもう戻ってこない。オレもそういう経験があるし」と。横綱自身の経験を言われて、その時に急に、横綱に言われた瞬間に少し自分で歩けるようになったんですよ。怖いぐらいに。さっきまで歩けなかったんですけど。急になんか汗かいちゃって。で(照ノ富士に)『立て』と言われて。立った時に少し歩けるように。無理やり歩いて。そこで僕自身が『明日(千秋楽)頑張ります』と言って、親方のところに自分の足で「出させてください」と伝えました。
――そんな出来事が
尊富士 そうですね。不思議と。自分も怖かったっす。
――では14日目の夜のうちに千秋楽の出場を決めた
尊富士 はい。夜のうちに、その瞬間に。
――千秋楽当日は痛み止めなどを使って
尊富士 はい。当日も本当に、正直、歩けないじゃないですか。実際に痛みは変わらないので。でも、自分で言った以上、土俵で恥ずかしい姿はあまり見せるものじゃないけど、見せてもおかしくない状況の中で、でもオレは気持ちで絶対に負けたくなかったですし、ここまでやってきたことが意味がなくなる(かもしれないとも思った)。逆に出た方が(良い方向に)今後の相撲人生の大きく変わってくると思ったので。はい。気合で出ました。
――その痛みの中で、よくあのような相撲を取ることができましたね
尊富士 自分もこわいぐらい。自分もけがしているので、いろんなパターンとか、相撲の取り口を考えたんですけど、やっぱり気持ちで負けたら、見ている人たちも残念がると思いますし、その中で、何よりも(NHKテレビ中継の)解説が(伊勢ケ浜)親方だったので、変な相撲を取ったら、自分が師匠に言った「出ます」というのが、僕がウソつく、自分自身にウソついていると思っちゃうから、これは勝って…。負けてもいいからと思って。気力だけで。だから相撲はあんまり覚えていないんですよ。
――今場所初の張り差しの立ち合い。これもいろいろ考えたパターンの1つ
尊富士 パターン、ありましたね。本当に自分でも、なんかよく分からないぐらい。体が無意識でしたね。
――安易に立ち合い変化で勝とうとかは
尊富士 まあ、それはありましたよ。正直。実際にここまでけがして「勝てばいい」という気持ちも少しはあるわけじゃないですか。でも、自分の手でどうしても、優勝をつかみたかったですし、誰が勝って負けて、待って(1差で追っていた大の里が負けて)優勝しようが、自分の手で優勝賜杯をつかみたかったので。自分から、自分から、動こうと思って。
――約1カ月前の新入幕会見では「心技体」の中で心が最初にくるので、心の強さが大切と言っていた。その心の強さはいつごろから
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高田文太Bunta Takada
1999年入社。スポーツ部ではサッカー(1)→バトル→五輪→相撲(1)→(5年半ほど他部署)→サッカー(2)→相撲(2)→ゴルフと担当。他に写真部、東北総局、広告事業部にも在籍。
よく担当や部署が替わるので、社内でも配った名刺の数はかなり多い部類。
数年前までは食べる量も社内でも上位で、わんこそばだと最高223杯。相撲担当になりたてのころ、厳しくも優しい境川親方(元小結両国)に「遠慮なく、ちゃんこ食っていけ」と言われ、本当に遠慮なく食べ続けていたら、散歩から戻った同親方に「いつまで食ってんだ、バカヤロー!」と怒られたのが懐かしいです。26年4月に文化社会部へ。
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