【高砂部屋の面々〈5〉】ボディービル力士、朝紅龍 逆三角形!驚異の肉体の作り方

角界一の“大家族”の日常を紹介する連載「高砂部屋の面々」の第5回。

高砂部屋から念願の新十両が誕生した。石崎改め朝紅龍(あさこうりゅう、24)。部屋で最もウエートトレーニング好きで、ベンチプレスは200キロを誇る。鍛え上げられたムキムキのボディーは、腕回りが50センチにも達し、3サイズは上から135センチ、115センチ、117センチという逆三角形。それもそのはず、日体大4年時には、大相撲かボディービルダーかで進路を迷ったほどだった。大関経験者の前頭朝乃山に次ぐ2人目の関取を、秘蔵写真とともに迫った。

大相撲

明徳義塾高から日体大 新十両25歳

朝紅龍琢馬(あさこうりゅう・たくま)

本名・石崎拓馬。1998年(平10)9月24日、大阪・四條畷市生まれ。小学3年から四條畷相撲連盟で本格的に相撲を始める。高知・明徳義塾高2年時に全国高校選抜大会無差別級3位。同高3年時にモンゴルで行われた世界ジュニア選手権中量級3位。日体大では主将を務めていた4年時に、全国学生選手権3位。大相撲は三段目100枚目格付け出しで、21年夏場所初土俵。同場所で三段目優勝。東幕下5枚目で臨んだ今年名古屋場所で5勝2敗の好成績を残し、場所後の新十両昇進決めた。家族は両親と姉、弟。177センチ、120キロ

名古屋場所2連敗後の5連勝で吉報届く

新入幕、新三役、新大関に新横綱-。力士が出世すると、部屋は祝福ムードに包まれる。中でも部屋にとって喜ばしいのが新十両。場所ごとの手当を除くと、日本相撲協会から支給される毎月の給料は、幕下以下の0円から約100万円へと飛躍的に増える。さまざまな面で待遇が変わり「一人前」と認められる。苦しい時代を知っている部屋の全員が、自分のことのように喜ぶ。7月の名古屋場所後、高砂部屋にそんな明るい話題を振りまいたのが、石崎改め朝紅龍(24)だ。

東前頭5枚目で臨んだ名古屋場所は、2連敗から5連勝で締めて千秋楽3日後の7月26日、番付編成会議を経て新十両昇進の吉報が届けられた。主将を務めていた日体大4年時に、全国学生相撲選手権で3位となり、三段目100枚目格付け出しの資格を得て、21年5月の夏場所で初土俵。いきなり7戦全勝で三段目優勝を果たし、デビュー2場所目で幕下に昇進した。だが腰のヘルニアに苦しめられ、手術も経験し、所要14場所で念願の関取となった。

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1999年入社。現在のスポーツ部ではサッカー(1)→バトル→五輪→相撲(1)→(5年半ほど他部署)→サッカー(2)→相撲(2)→ゴルフと担当。他に写真部、東北総局、広告事業部にも在籍。
よく担当や部署が替わるので、社内でも配った名刺の数はかなり多い部類。
数年前までは食べる量も社内でも上位で、わんこそばだと最高223杯。相撲担当になりたてのころ、厳しくも優しい境川親方(元小結両国)に「遠慮なく、ちゃんこ食っていけ」と言われ、本当に遠慮なく食べ続けていたら、散歩から戻った同親方に「いつまで食ってんだ、バカヤロー!」と怒られたのが懐かしいです。