辰吉寿以輝の現在地〈27〉「自分は倒れないと思っていた」見えないパンチの恐ろしさ

平成のカリスマ、丈一郎(54)を父に持つ辰吉寿以輝(28=大阪帝拳)。

日本初の親子世界王者につながる道を一途に歩みます。

初のタイトル戦でTKO負けした中嶋一輝戦。

KOされた直接の原因は、パリング(Parrying)の失敗でした。

ただその奥には、寿以輝が持っていた、ある意識がありました。

プロ初黒星を、力に変えることができるのか。

再起の道が始まりました。

ボクシング

練習を終え、取材に応じる辰吉寿以輝=2025年1月6日、大阪帝拳ジム

練習を終え、取材に応じる辰吉寿以輝=2025年1月6日、大阪帝拳ジム

KOの瞬間、何が起こっていたか

25年1月6日。

12月12日の中島戦から約4週間がたっていた。

寿以輝は、淡々と練習を再開したことを振り返った。

「試合が終わって、1週間後には走ってましたね。12月23日にジムに来て、病院の検査で問題がなかったから練習しました」

サンドバッグに右ストレートを打ち込む辰吉寿以輝=2025年1月6日、大阪帝拳ジム

サンドバッグに右ストレートを打ち込む辰吉寿以輝=2025年1月6日、大阪帝拳ジム

年末には家族で奈良県内の温泉を1泊2日で訪れたという。

試合の映像で、倒れている自分の姿も見た。

KOされた瞬間の記憶はなかったが、映像を確認すれば、どんなパンチをもらったかはわかる。

左フックをまともにもらった原因。

ポイントとなったのは、右手のパリングだった。

「NTTドコモ Presents Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 126」 OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦 中嶋一輝対辰吉寿以輝 2回、中嶋一輝(左)の左フックを浴びる辰吉寿以輝=2024年12月12日

「NTTドコモ Presents Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 126」 OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦 中嶋一輝対辰吉寿以輝 2回、中嶋一輝(左)の左フックを浴びる辰吉寿以輝=2024年12月12日

空を切ったパリング、直後に浴びたフック

パリング(Parrying)は、ボクシングの防御技術のひとつ。

相手のパンチを手のひらではじいて、その軌道を変えるものだ。

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スポーツ

益田一弘Kazuhiro Masuda

Hiroshima

広島市生まれ。2000年の入社からバトル、相撲、サッカー、野球を担当して、13年からオリンピック担当。
14年ソチ、16年リオデジャネイロを取材して、18年平昌、21年東京は五輪班キャップを務める。東京五輪後に一般スポーツデスク。
大学時代はボクシング部で全日本選手権出場も初戦敗退。アマチュア戦績は21勝(17KO)8敗。